STP(Spanning Tree Protocol)はブロードキャストストームを防止するためにポートの通信を行わない状態に遷移させるプロトコルです。
ブロードキャストストームとはスイッチがループになったネットワークでずっとブロードキャスト通信であるARP要求を送り続ける状態のことをいいます。
例えば以下のような環境があったとします。
PCAからPCBの経路は障害が発生した場合のための経路を冗長化しています。
経路1 Switch1→Switch2
経路2 Switch1→Switch3→Switch2
このネットワークでSTPが無効になっていた場合、PCAからSwitch1に通信を行うとSwitch1はARP要求をSwitch2とSwitch3の両方に発信します(ブロードキャスト通信)。
ARP要求を受け取ったSwitch2は更にARP要求をSwitch3に、Switch3はSwitch2へARP要求を行います。
Switch2はSwitch3からきたARP要求をSwitch1に送り、Switch3はSwitch2からきたARP要求をSwitch1に送ります。
そしてSwitch2とSwitch3からきたARP要求をSwitch1はまたSwitch2とSwitch3に送ってしまうというブロードキャストキャストの通信が延々に発生してしまう状態がブロードキャストキャストストームです。
STPはポートに役割を持たせます。
その役割の内、非指定ポートと呼ばれる役割を割り当てられたポートは通信を行わないポートになります。
非指定ポートになることでARP要求が送られてきても受け取らず、また非指定ポートから通信を発信することがなくなるのでブロードキャストストームを防止することができます。