CCNA学習#3未経験の方向けイーサネットについて

本日はイーサネットについて、まとめていきたいと思います。

主に、データリンク層についてのお話になりますので、まずは簡単にデータリンク層について、復習していきたいと思います。

1. データリンク層(レイヤ2)

データリンク層(レイヤ2):隣接ノード間の通信に関するルールが決められています。

・データの送信元と宛先の識別方法に関するルール
・データの衝突の検知や回避に関するルール
・送出するためのデータ加工に関するルール

など。。。


10. コリジョンドメイン

・コリジョンの伝わる範囲をコリジョンドメインといいます。

・レイヤ1のデバイスはすべて半二重通信となるため、接続するすべてのリンクがコジョンドメインとなります。

カスケード接続

 ハブとハブの接続するとコリジョンドメインはさらに拡大します。

・コリジョンドメインが広いとコリジョンの発生確率があがり、再送処理が増えてしまうのでパフォーマンスが低下してしまいます。

・レイヤ2デバイス(レイヤ3デバイスも含む)はMACアドレスから適切なポートのみにデータを送信するという特性から、ポート毎にコリジョンドメインを分割するという特性を持っています。

・1つのスイッチポートにつき1つホストを接続することでコリジョンドメインを最小分割することをマクロセグメントテーションと呼びます。

11. レイヤ3デバイスの特徴

・レイヤ3デバイスは隣接していないノードとの通信を可能にし、異なるネットワークを相互接続します。

・レイヤ3デバイスは複数の経路から最適経路を選択し、パケットを効率的に転送します。(ルーティング)

・レイヤ3デバイスはポート毎にブロードキャストドメイン(ブロードキャストで届けられる範囲)を分割します。
なお、レイヤ2以下のデバイスはブロードキャストを中継する事を覚えておいてください。

12. ルータとレイヤ3スイッチの違い

・L3スイッチはネットワーク層(パケットの処理)に対応できるようにL2スイッチを改良したものと覚えましょう。

・このためイーサネットでの使用が中心となります。

・ルータはイーサネットのみならず様々なWANサービスに対応するネットワーク接続の万能選手です。

・開発が進んでいる現在は双方のデメリットが小さくなっており、その差が曖昧になってきております。

13. まとめ


今回はイーサネットについて、まとめました。

DIXイーサネットとIEEE802.3の2つの規格があり、IEEEが主に使われていることを理解してください。

また、MACアドレスがあることから、フレームの送信元や宛先を識別する事が可能になることも覚えておきましょう。

2. イーサネット

今回の内容のイーサネット(Ethernet)は物理層~データリンク層を規定するコンピューターネットワークの規格の1つになります。

LANの物理層~データリンク層はほとんどが、イーサネット企画で設計されています。

現在ではLANだけでなくWANにも利用が広がっており、発展とともに進化し続けている規格になります。


ポイントは「LANといえばイーサネット」で「イーサネットといえばLAN」になりますのでここは覚えていきましょう!!


イーサネットには、DIXイーサネットとIEEE802.3(アイトリプルイー)の2つの規格が存在します。

・DIXイーサネットDEC、Xerox、Intelの三社によって公開された標準の規格になります。
※イーサネットの原型を作ったのはXerox社

・IEEEイーサネットはDIXイーサネットを国際的な標準規格にできるように
IEEE(米国電気電子技術協会者)によって制定された規格になります。今のイーサネットは大体がIEEEになるので、覚えましょう。

補足、1980年の2月に作られたので802が付いています。

・IEEEはデータリンク層をさらにMAC副層(Media Access Contorol)とLLC副層(Logical Link Control)に分けました。
MAC副層ではケーブルや無線といった伝送媒体に依存するフレームの伝送方式に関するルールを定義しています。
・イーサネットではIEEE802.3、トークンリングはIEEE802.5といった具合で媒体ごとに規格が定義されています。
LLC副層は媒体に依存しないIEEE802.2という共通規格を定義しています。

2-1. イーサネットのフレーム

・イーサネットで扱われるフレームはDIX使用とIEEE802.3使用の2種類になります。
インターネットを支えるTCP/IPで使用されているという理由からDIX使用が一般的となっています。

・DIX使用もIEEE802.3使用も構造は似ており、イーサネットで動作するすべてのノードはどちらにも対応しています。

・フレームを構成する1つ1つの要素をフィールドと呼びます。


補足、インターネットは世界的に普及しており、インターネットのフレームに関しては、DIX仕様が使われていることを覚えておいてください。

2-2. フレームフォーマット(DIX仕様)

プリアンプル⇔宛先MACアドレス(6バイト)⇔送信元MACアドレス(6バイト)⇔タイプ(2バイト)⇔データ(46~1500バイト)⇔FCR(6バイト)


・プリアンプル:
フレームの開始をノードに認識させるための特殊な信号。
受信時に破棄されるため、厳密にはフレームは含みません。

・宛先&送信元MACアドレス:
送信先と送信元のノードを識別するための番号。
それぞれ6バイトです。

・タイプ:
上位層のプロトコルが何であるかを識別するための番号です。

・データ(可変長):
イーサネットフレームによって運ばれる送信データになります。
フレーム内に格納できるデータのサイズは46~1500バイトです。
46バイト以下ではデータの後ろを0埋め、1500バイト以上では分割して別フレームで送信します。(MTU=1500バイト)

・MTU(Maximum Transmission Unit):
一度に送信できるデータの最大サイズの事をいいます。
イーサネットの場合は1500バイトが一般的です。

・FCS(Frame Check Sequence):
エラーチェック用の値(CRC値)が格納されています。

2-3. フレームフォーマット(IEEE802.3使用)

プリアンプル⇔宛先MACアドレス(6バイト)⇔送信元MACアドレス(6バイト)⇔長さ(2バイト)⇔制御情報(データ)(46~1500バイト)⇔FCS(6バイト)

・長さ:
データフィールドの長さ。

・制御情報:
上位プロトコルが何であるかを識別するための情報を含みます。
IEEE仕様で制御するための情報が格納されています。

3. MACアドレス(16進数で12桁=48ビット)

・MACアドレスはコンピュータのNICやネットワーク機器の各ポートに対して製造時に重複なしに付与された番号になります。
フレームの送信元や宛先を識別するためにデータリンク層(レイヤ2)で利用されます。

・物理アドレスといい、ハードウェアアドレスとも呼ばれます。

3-1. MACアドレスの構成

・MACアドレスの前半24ビットはOUI(organizationally Unique Identifier)とよばれるIEEEが各製造会社に割り当てた番号を表します。
OUIはベンダーコードともよばれます。

・後半24ビットは各製造会社が製品に割り当てた番号を表します。
シリアル番号とも呼ばれます。

3-2. 特別なMACアドレス

・ユニキャストで送信したい場合は宛先に相手MACアドレスを指定します。

・ブロードバンドキャストで送信したい場合は宛先にブロードキャストMACアドレス(FFFF.FFFF.FFFF)を使用します。
この時に送信されるフレームはブロードキャストフレームと呼ばれます。

・ユニキャストで全体に送信したい場合は、マルチキャストグループに設定されたマルチキャストMACアドレスを指定します。

4. イーサネット規格の命名規則


例)1000(通信速度)BASE(伝送方式)- TX(ケーブルの種類)

・IEEE802.3では伝送媒体に応じて様々な企画が用意されています。
・規格の命名は通信速度、伝送方式、ケーブルの種類の3部で構成されています。

補足

・通信速度:
単位はMbps

・伝送方式:
BASEはデジタル信号をそのまま送信します。
BROADはアナログ信号に変換して送信します。

・ケーブルの種類:
5 or 2 : ケーブルの長さ(百m)
T:ツイストペアケーブル
F:光ファイバケーブル
X:ANSIの技術仕様を一部利用など。

代表的なイーサネットグループ

イーサネット(10Mbps)
ファストイーサネット(100Mbps)
ギガビットイーサネット(1Gbps)
10ギガビットイーサネット(10Gbps)

5. オートネゴシエーション


・ノード間の通信機械の違いを判定し、最適な通信規格を自動でえらぶ機能をオートネゴシエーションといいます。

・オートネゴシエーションが有効な機器同士、互いにFLP(Fast Link Pulse)という自身の通信規格を知らせる信号を送りあうことですり合わせを行います。

・オートネゴシエーション非対応機種はNLPアイドルという信号を発しています。

6. イーサネットの媒体アクセス制御(CSMA/CD)

・CSMA/CDはイーサネットで使用される媒体アクセス制御方式の一つになります。

・一定時間(IFG)のアイドル状態を確認してから、送信します。

・コリジョンが発生したら、ジャム信号で全ホストに知らせた後、バックオフで再送処理を行います。

7. 全二重通信/半二重通信


・全二重通信(full duplex)は送信と受信を同時に行える通信方式。
半二十通信(harf duplex)は不可になります。

・全二重通信の方が通信速度・効率がよく、コリジョンも起こりません。
現在は全二重通信が一般的です。

・CSMA/CDは半二十通信のイーサネットで用いられ、コリジョンの起こらない全二重通信では必要のないものになります。

全二重通信の条件

・ノードが二重通信をサポートしていること。

・集線機器がスイッチであること。
(ハブを使ってしまうと、半二重通信になっていまいます。)

・1:1接続であることが大切です。

代表的なノード+α

リピータはリピータ機能(波形の増幅・再生)のみを持ったレイヤ1で動作するネットワーク機器になります。集線機能を持たないハブと覚えましょう。

8. レイヤ2デバイスの特徴

・ブリッジやスイッチといったL2デバイスはL1デバイスと違いフレームを読み取ることからMACアドレス、ノードを識別するための情報を扱うことができます。

・これを学習することにより、送る必要のないノードに送らないといった制御ができるようになります。

8-1. フィルタリング

・スイッチもブリッジも宛先のMACアドレスがどのポートに接続されているかを判断し、接続のあるポートにのみフレームを転送します。
これをフィルタリングと呼びます。

・フィルタリングは適切は適切なポートを選んで送りだすというより、すべてのポートから送り出すというハブの機能に不適切なポートを閉じる機能が加わったものとイメージするといいです。

8-2. MACアドレステーブル

・レイヤ2ではデバイスが内部に持つMACアドレスとポートの対応表をMACアドレステーブルといいます。
フィルタリングは宛先MACアドレスとMACアドレステーブルを照合することで行われます。

・シスコではCAMテーブル(Content Addressable Memory Table)と呼んでいます。

・作成手段はダイナミック(動的=デバイスが自動作成)とスタティック(性的=管理者が主導登録)の2種類があります。

MACアドレス学習(ダイナミック)

フレームの導入があるたびに送信元MACアドレスと受信ポートを紐づけて登録します。(MACアドレス学習)

9. スイッチとブリッジの違い


・スイッチは転送先のポートを識別しますが、ブリッジは受信側のポートにあるかしか識別しません。

・ブリッジはソフトウェア主体(自前のCPU)で判断するため処理が低速になります。
スイッチはハードウェア主体(AFICというMACアドレス学習や転送といったスイッチング処理ごとに用意されたICチップ)で判断するため処理が非常に高速になります。

・ブリッジは基本的に2ポートしかなく、スイッチは3ポート~数百のポートを持つことができます。
(ポート密度が高いです。)