ITエンジニアを志す人向けの国家資格として、ITを活用する組織、教育機関から定評のある「基本情報技術者試験(FE)」。
優秀なIT人材獲得競争に拍車がかかる今日、FE取得はITエンジニアのキャリアパスのきっかけになるかもしれません。
本記事では、「基本情報技術者試験」の試験概要などについてご紹介します。
【初心者】基本情報技術者試験とは
1. 基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験とは、情報技術全般に関する基本的な知識・技能をもつ人や、プログラム設計書を作成し、プログラム開発や単体テストの一連のプロセスを担当する人のための国家資格です。
ITエンジニアを志す人向けの登竜門と言われるように、情報技術に関する知識を活用できるかどうか問われます。
基本情報技術者試験は、IT系国家資格のうちのレベル2に該当する試験です。
今回FEをおすすめする理由は、優秀なITエンジニアとして開花していくプロセスを明確にできる点にあります。
https://www.internetacademy.jp/it/management/it-basic/it_qualification_acquisition.html
基本情報技術者試験を受けることにどのようにメリットがあるか、見ていきます。
ITスキルを客観的に証明するメリットは言うまでもないですが、キャリアで迷っている人にこそおすすめな理由があります。
2. 優秀なITエンジニアとは
ITエンジニアが慢性的に不足していることは多くの人がご存知だと思います。
経済産業省の見解では、2030年には少なくとも約41万人、最大で約79万人のITエンジニアが不足する見込みです。
ITエンジニアの不足は、単にIT人材を増やせばよいという問題ではありません。
経済産業省が懸念する「IT人材」とは、ビッグデータやAIなどの先端技術を開発する先端IT人材や、企業や顧客の情報を保護する情報セキュリティ人材のことです。
これらの職種は高度なIT技術を駆使するため、着実なキャリアステップの計画が望ましいです。
しかしながら、IT初心者の方がキャリアアップを目指す際に、どんな学習をスタート地点とするべきか頭を悩ませることが非常に多いのです。
しかし、優秀なITエンジニアを志すにも、何を目標とすればよいかわからなかったり、道のりの長さに身構えてしまったりする方がほとんどではないでしょうか。
だからこそおすすめしたいのが「基本情報技術者試験」です。
この資格は、IT業界の専門家の見解と近年のテクノロジートレンドを踏まえた知識技能を同時に習得することができるからです。
また、長期的な視点からみると、自分の専門性を磨きやすい検定試験なのです。
試験内容は、アルゴリズムやプログラミングなどの「IT技術」、「システム開発・サービス提供」、情報セキュリティといった「最適なIT導入・利活用」などそれぞれの専門家から作成されています。
また、現状のIT業界のニーズも加味したうえで試験内容が選定されています。
最近ではPythonのニーズの高まりを踏まえていて、試験では、Pythonについても出題範囲に含まれるようになりました。
基本情報技術者試験に合格できれば、さらなるレベルアップに挑戦することができます。
「ITストラテジ試験」や「システムアーキテクト試験」などのレベルの高い試験を受験するプロセスで、関心のある分野の専門性を確立させることにつながります。
基本情報技術者試験を経て、基本的なITスキルを身に付けたうえで、ご自身に必要な専門性を考えてみてもよいのではないでしょうか。
3. 基本情報技術者試験の合格率
合格率は例年、平均して2〜3割程度です。
試験名は「基本」となっているものの、決して簡単な試験ではないことがうかがえます。
とはいっても、IT初心者がまったく手も足も出ない試験というわけではありません。
基本情報技術者試験よりもやさしい「ITパスポート」という試験を通じて対策することも可能です。
「マネジメント系」、「ストラテジ系」についてはITパスポートで学習する内容を踏まえて解答することができます。
4. 勉強方法
基本情報技術者試験に限らず、どの試験の勉強方法でも重要だと言われるのがインプットとアウトプットのバランスです。
総勉強時間は60〜180時間を目安にしましょう。
インプット3、アウトプット7の間隔で、過去問重視の学習をします。
インプットとはテキストなどを読んで知識や考え方を頭に入れる学習、アウトプットとは実際に問題を解いて問題慣れをしたり、出題のパターンを知る学習です。
このどちらの学習が不足していても本番の試験で力を発揮することはできません。
どちらに重点をおいて勉強の計画を立てるかで、限られた時間で合格ラインに到達できるかできないのかの分かれ目となってきます。
テキストで学習するならば、最初は読み流す程度でさらっと読んでいきます。
一回ですべて覚えようとする必要はありません。
知識というのは自分の中で身になるまで多少時間がかかるため、はじめはうっすらと理解できている形でいいと思います。
数か月の間で何回か読み返していきます。
回数が増すごとに知識が定着していることが実感できるはずです。
過去問演習をするならば、IPAでもPDFファイル形式で公開されていますし、市販の問題集をそろえるのもいいでしょう。
この過去問題で最低過去4回分、可能な人は過去8回から12回分を解けばほぼ全ての試験範囲の問題をカバーすることができます。
テキストを読むだけではわからないその分野の重要性などを感じ取り、正答率が高い重要分野を確実に正解できるようにします。
無理なスケジュールを組まず、適切な対策期間を確保し、自己評価を重ねながら準備を進めるといいと思います。
この試験は広範囲なIT知識を必要とし、適切な対策を講じながら幅広いトピックに対応することが合格の秘訣です。
5. まとめ
ITエンジニアとしてのキャリアを考えている人に、まずおすすめしたいのが「基本情報技術者試験」です。
合格すると、IT分野での基礎的なスキルが証明されます。IT業界には様々な専門性があるからこそ、順を追ってレベルアップできれば迷いにくくなります。
SESの面談の際、スキルが乏しい駆け出しエンジニアの人は基本情報技術者試験を取得していると技術力としての評価が上がると言っていました。
スキルで勝負することも大事ですが、取得資格もまあまあ見られています。
IT系国家資格レベル1であるITパスポートも重要ですが、ITパスポートだけだと物足りなさを感じるらしいです。
基本情報技術者試験に合格して、やっと技術力が信頼されるらしいです。ITエンジニアとして認められるハードルは高そうですね。
さらに2023年4月から新しい試験方式になったので、レベルが難しくなったと考えることもできます。
IT系資格試験の入門編を突破して、さらに上の試験に挑戦しましょう。
基本情報技術者試験を取って、ぜひ優秀なIT人材の架け橋になってください。