【入門】IPアドレスの基礎知識

IPアドレスの基礎知識についての記事になります。

1. IPアドレスとは


IPアドレスとは通信機器の住所のようなものです。

通信機器はお互いにデータのやり取りをしていますが、データのやり取りをするには、ネットワークに繋がれている必要があります。


しかし、世の中にはとても多くの通信機器が存在しており、ほとんどの通信機器がネットワークに繋がれているため、ただデータを送信するだけでは目的の通信機器と通信することができません。

そこで、IPアドレスを通信機器に与えることで通信ができるようになるというわけです。


また、IPアドレスは2種類あり、IPv4アドレスと呼ばれるものとIPv6アドレスと呼ばれるものがあります。

1-1. IPv4アドレス

IPv4アドレスは0〜255までの10進数を、4つ並べて表されるIPアドレスです。

こちらのIPアドレスは見たことがある方も多いかもしれません。

1-2. IPv6アドレス

IPv6アドレスは32個の16進数を4個ずつ:(コロン)で区切って表されるIPアドレスです。

こちらのIPアドレスはあまり見ることが無いので、見慣れない方も多いかもしれません。


ここまで、IPアドレスについて簡単に説明してきましたが、ここからは、よく使われているIPv4アドレスが、具体的にどのように構成されているのか、説明していきます。

2. IPv4アドレス


前述の通り、IPv4アドレスは0〜255までの10進数を、.(ピリオド)区切りで4つ並べて表されるIPアドレスで、「192.168.0.1」のように表されます。

IPv4アドレスにはインターネットで使われているパブリックIPアドレスと、インターネットより内側(家庭内や社内)で使われているプライベートIPアドレスがあります。


パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスについては次の項で説明していきます。

ちなみに、インターネット側のネットワークをWAN、家庭内や社内側のネットワークをLANと呼びます。

2-1. パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレス

先ほど、パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスについて簡単に説明しましたが、ここでは具体的に説明していきます。

パブリックIPアドレス

前述の通り、パブリックIPアドレスはインターネット側、つまりWANで使われているIPアドレスを指し、グローバルIPアドレスとも呼ばれています。

パブリックIPアドレスはインターネット側で使われることから、インターネット回線を提供しているプロバイダから与えられます。

プライベートIPアドレス

前述の通り、プライベートIPアドレスはインターネットより内側(家庭内や社内)、つまりLANで使われているIPアドレスを指し、ローカルIPアドレスとも呼ばれています。


プライベートIPアドレスは家庭内や社内で使われているため、ネットワーク環境を構築する際に任意の値を設定することができます。

しかし、プライベートIPアドレスにはアドレスクラスと呼ばれる、ネットワークの規模によって使用できるIPアドレスが定められており、アドレスクラスの中から任意の値を設定することになります。


アドレスクラスについては後ほど説明します。

2-2. IPアドレスの表記

先ほど、IPv4アドレスは0〜255の数字を4つ並べて表される、と説明しましたが、正確にはIPv4アドレスは32桁の2進数で表され、それを8桁ずつ4つに区切り、10進数で表記しています。

例えば、IPv4アドレスが「192.168.0.1」の場合は「11000000 10101000 00000000 00000001」のように表されます。


また、IPv4アドレスはネットワーク部とホスト部という2つの部分に分けられます。

ネットワーク部

ネットワーク部は、IPv4アドレスの所属を表す部分で、2進数の左から何桁分をネットワーク部とするかで表されます。

例えば、「192.168.0.1」の左から24桁分をネットワーク部とする場合、「192.168.0.1/24」のように/(スラッシュ)桁数で表されるものと、「192. 168.0.1 255.255.255.255」のように2進数のネットワーク部分の桁数を1として表されるものがあります。


後者の表記はサブネットマスクと呼ばれ、また、指定した桁数以降の2進数をすべて0にしたものをネットワークアドレスと呼びます。

例えば、「192.168.0.1/24」のネットワークアドレスは、「192.168.0.0/24(11000000 10101000 00000000 | 00000000)」となります。


ネットワークアドレスは、ネットワークを分けたい場合に利用され、例えばXX部署とOO部署を分けたい場合に、XX部署は「192.168.0.0/24」、OO部署は「192.168.1.0/24」のように分けることができます。


またネットワークアドレスは更に細かく分けることができ、この細かく分けたものをサブネットと呼びます。

サブネットは、例えばXX部署のネットワークアドレスが「192.168.0.0/24」だった場合、XX部署OO課のサブネットは「192.168.0.0/25(11000000 10101000 00000000 0 | 0000000)」、XX部署△△課のサブネットは「192.168.0.128/25(11000000 10101000 00000000 1 | 0000000」のように表すことができます。

ホスト部

ホスト部は、IPv4アドレスの個人を表す部分で、ネットワーク部以降の桁をホスト部と呼びます。

例えば、「192.168.0.1/24」のホスト部は、2進数で表した25桁目以降の数字(00000001)を指し、「192.168.0.0/24」のネットワークアドレスに所属する「192.168.0.1」の端末という意味になります。

2-3. アドレスクラス

前述の通り、アドレスクラスはプライベートIPアドレスの使用できる範囲を示しており、プライベートIPアドレスはアドレスクラスの中からネットワークの規模によって選択されます。

クラスA

クラスAはIPアドレスの2進数の先頭が「0~」で始まり、範囲としては、0.0.0.0〜 127.255.255.255になっています。

また、ネットワーク部は先頭8桁と決められています。


ネットワーク部が先頭8桁なので、ネットワークは256個、ホスト部が後ろ24桁なので、1ネットワーク当たりのホストは16,777,216個使用することができます。

クラスB

クラスBはIPアドレスの2進数の先頭が「10〜」で始まり、範囲としては、128.0.0.0〜 191.255.255.255になっています。

また、ネットワーク部は先頭16桁と決められています。


ネットワーク部が先頭16桁なので、ネットワークは65,536個、ホスト部が後ろ16桁なので、1ネットワーク当たりのホストは65,536個使用することができます。

クラスC

クラスCはIPアドレスの2進数の先頭が「110〜」で始まり、範囲としては、192.0.0.0〜 223.255.255.255になっています。

また、ネットワーク部は先頭24桁と決められています。


ネットワーク部が先頭24桁なので、ネットワークは16,777,216個、ホスト部が後ろ8桁なので、1ネットワーク当たりのホストは256個使用することができます。

クラスD

クラスDはIPアドレスの2進数の先頭が「1110〜」で始まり、範囲としては、224.0.0.0〜 239.255.255.255になっています。

クラスDはIPマルチキャストという特別な用途にのみ使われます。


クラスE

クラスEはIPアドレスの2進数の先頭が「11110〜」で始まり、範囲としては、240.0.0.0〜 255.255.255.255になっています。

クラスEは基本的には使われません。

3. まとめ


ここまでIPアドレスについて説明してきましたがいかがでしたか?

IPアドレスについてまとめると、

・IPアドレスは通信機器の住所のようなもの
・IPアドレスにはIPv4アドレスとIPv6アドレスがある
・IPv4アドレスにはパブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスがある
・IPv4アドレスはネットワーク部とホスト部の2つに分けて表される
・IPv4アドレスのプライベートIPアドレスにはアドレスクラスと呼ばれるものがある


でした。


IPアドレスは、ネットワークを学ぶ上で基本中の基本となっています。

しっかり理解しておきましょう。

この記事で少しでもIPアドレスについての理解を深めていただけていれば幸いです。