【初心者用】ifconfigの出力結果の見方

Linuxシステムでネットワーク設定や情報を確認するための基本的なコマンドの1つがifconfigです。


この記事では、初心者向けにifconfigコマンドの使用方法、オプション、出力結果の解釈について詳しく説明します。

また、具体的な使用シーンや例、関連するコマンドや技術についても紹介します。

1. ifconfigコマンドの基本的な使用方法

ifconfigコマンドは通常、ネットワークインターフェースの設定情報を表示するために使用されます。基本の使用方法は以下の通りです。


ifconfig

このコマンドを実行すると、現在のネットワークインターフェースの状態が詳細に表示されます。


https://eng-entrance.com/linux-command-ifconfig

2. ifconfigコマンドの主なオプション

ifconfigコマンドにはさまざまなオプションが存在し、それぞれ異なる情報を表示できます。

-aオプション: 無効なインターフェースも含めて全てのインターフェース情報を表示します。


ifconfig -a

: 特定のインターフェースの情報を表示します。


ifconfig eth0



https://eng-entrance.com/linux-command-ifconfig

3. ifconfigの出力結果の見方

ifconfigの出力結果は、各ネットワークインターフェースごとに以下のような情報が表示されます。


・インターフェース名 (eth0, wlan0など)
ネットワークインターフェースの名前。


ifconfigコマンドの出力結果において、インターフェース名はネットワークインターフェースを識別するための名称です。

以下は、よく見られるインターフェース名の種類とその説明です。

・eth0, eth1, …
Ethernet インターフェースを表します。通常、有線ネットワーク接続に使用されます。

・wlan0, wlan1, …
Wi-Fi インターフェースを表します。無線ネットワーク接続に使用されます。

・lo
ループバック(Loopback)インターフェースを表します。このインターフェースは、同じコンピュータ内でネットワーク通信を模擬するために使用されます。

・tun0, tap0, …
TUN/TAP インターフェースは、仮想的なネットワークデバイスで、仮想プライベートネットワーク(VPN)や仮想マシンのネットワーク接続に使用されます。

・docker0
Docker コンテナがホストマシンと通信するためのブリッジインターフェースです。

・br0, br1, …
ブリッジインターフェースは、複数の物理または仮想インターフェースをブリッジして単一のネットワークに統合するために使用されます。


これらのインターフェース名は、システムのネットワーク構成に応じて異なる場合があります。

ユーザーが直面する一般的なシナリオでは、有線および無線ネットワーク接続に関連するethおよびwlanプレフィックスのインターフェース名が主に使用されます。


・Link encap (リンクエンカプ)
ネットワークインターフェースのエンカプセレーション(カプセル化)タイプ。

・HWaddr (ハードウェアアドレス)
ネットワークインターフェースに割り当てられた物理的なハードウェアアドレス(MACアドレス)。

・inet addr (インターネットアドレス)
インターフェースのIPv4アドレス。

・Bcast (ブロードキャストアドレス)
ブロードキャスト通信に使用されるアドレス。

・Mask (ネットマスク)
サブネットマスク。

・inet6 addr (IPv6アドレス)
インターフェースのIPv6アドレス。

・Scope (スコープ)
IPv6のスコープ(通常はLinkやGlobal)。

・UP (アップ)
インターフェースが起動している場合にUP。

・RUNNING (実行中)
インターフェースが実行中である場合にRUNNING。

・MTU (最大転送ユニット)
インターフェースがサポートする最大転送ユニットのサイズ。

・RX Packets/TX Packets (受信パケット数/送信パケット数)
受信および送信されたパケットの合計数。

・RX Bytes/TX Bytes (受信バイト数/送信バイト数)
受信および送信されたバイトの合計数。

・RX errors/TX errors (受信エラー数/送信エラー数)
受信および送信時に発生したエラーの数。

・RX dropped/TX dropped (受信ドロップ数/送信ドロップ数)
受信および送信時に破棄されたパケットの数。

・RX overruns/TX overruns (受信オーバーラン数/送信オーバーラン数)
受信および送信時にオーバーランが発生した回数。

・flags (フラグ)
インターフェースの状態や特性を示すフラグ。主なフラグには以下が含まれます。

 ○UP: インターフェースが起動していることを示す。

 ○BROADCAST: ブロードキャスト通信に対応していることを示す。

 ○MULTICAST: マルチキャスト通信に対応していることを示す。

 ○RUNNING: インターフェースが実行中であることを示す。

 ○LOOPBACK: インターフェースがループバックモードで動作していることを示す。

 ○NOARP: インターフェースがARP(アドレス解

4. 具体的な使用シーンと例


4-1. ネットワーク設定の確認

ifconfig

上記コマンドにより、全てのネットワークインターフェースの設定情報を確認できます。

4-2. 特定のインターフェースの詳細情報取得

ifconfig eth0

eth0という名前のインターフェースに関する詳細情報を表示します。

5. 関連するコマンドや技術


5-1. ipコマンド

ipコマンドはネットワークインターフェースの設定や表示、ルーティングテーブルの管理などを行うための強力なツールです。

1.基本の使用方法

ip addr show

上記コマンドは、全てのネットワークインターフェースの詳細な情報を表示します。

ifconfigコマンドの代替として、より詳細で一貫性のある情報を提供します。

2.主なオプション

 ・ip link show: リンク層の情報を表示。

 ・ip route show: ルーティングテーブルの内容を表示。

 ・ip neigh show: ARP キャッシュの内容を表示。

 ・ip -s link: リンク層の統計情報を表示。

5-2. netstatコマンド

netstatコマンドはネットワークの状態や統計情報を表示するツールであり、特に古いシステムで一般的に使用されています。

1.基本の使用方法

netstat -a

上記コマンドは、全てのネットワーク接続とリスニングポートを表示します。

2.主なオプション

 ・netstat -tunlp: TCP、UDPのポートとプロセスの対応を表示。

 ・netstat -i: インターフェースの統計情報を表示。

 ・netstat -r: ルーティングテーブルを表示。

5-3. ssコマンド

ssコマンドはnetstatコマンドの後継であり、ネットワークソケットの詳細な情報を提供します。

1.基本の使用方法

ss

上記コマンドは、全てのソケットの詳細な情報を表示します。netstatよりも効率的で詳細な情報を提供します。

2.主なオプション

 ・ss -tulw: TCP、UDP、RAW ソケットの情報を表示。

 ・ss -s: ソケットの統計情報を表示。

 ・ss -p: プロセス情報と共にソケットの情報を表示。


これらのコマンドは、ネットワーク関連の問題のトラブルシューティングや詳細なネットワーク情報の取得に役立ちます。

使用状況や環境に応じて適切なコマンドを選択して利用することが重要です。


https://images.app.goo.gl/g6SyCJ6zNyjYWSkq5

6. まとめ

この記事では、ifconfigコマンドの基本的な使用方法、オプション、出力結果の解釈について詳しく解説しました。

また、具体的な使用シーンや例、関連するコマンドや技術についても触れました。

ネットワーク管理やトラブルシューティングにおいて、ifconfigコマンドは重要なツールの一つであるため、適切に理解し活用することが重要です。