インフラエンジニアとしてのキャリアを積んでいくためには、自分のスキルや知識を常にアップデートしていくことが必要です。
しかし、どのようなスキルや知識が必要なのか、どのように学習すればいいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、CCNA(Cisco Certified Network Associate)という資格です。
CCNAは、ネットワークの基礎から応用までを網羅した、世界的に認められた資格です。
この記事では、CCNAとは何か、CCNAを取得するメリット、CCNAの難易度と試験の概要、CCNAの試験範囲について解説します。
インフラエンジニアがCCNA資格を取得するべき理由と試験のポイント
1. CCNAとは
CCNAは、シスコシステムズ社が運営しているネットワーク技術者のための資格です。
シスコシステムズ社は、世界中のインターネットの約8割を支えるネットワーク機器の製造・販売を行っている企業です。
CCNAは、2020年2月に大幅に改定され、ネットワークの基礎知識だけでなく、セキュリティやワイヤレス、クラウドなどの最新の技術もカバーするようになりました。
CCNAは、ネットワーク技術者のエントリーレベルの資格として位置づけられていますが、その内容は非常に幅広く奥深いものになっています。
1-1. CCNAを取得するメリット
CCNAを取得するメリットは、以下のようなものがあります。
・ネットワークの基礎から応用までを網羅した知識とスキルを身につけることができる。
・シスコシステムズ社の製品を使ってネットワークを構築・運用する能力を証明することができる。
・世界的に認められた資格であるため、就職や転職、昇進などのキャリアアップに役立つ可能性が高い。
・CCNAは、CCNP(Cisco Certified Network Professional)やCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)といった上位の資格の基礎となる資格であるため、さらなるスキルアップのためのステップとして活用できる。
1-2. 難易度
CCNAは、ネットワーク技術者の入門レベルの資格として位置づけられていますが、実際にはかなり高い難易度の資格です。
CCNAの試験は、ネットワークの基本的な概念や用語だけでなく、ネットワークの構成や運用、ネットワークのトラブルシューティング、ネットワークのセキュリティや無線LANなどの応用的な内容も含まれています。
CCNAの難易度を示す指標の一つとして合格率があります。
CCNAの合格率は、正式には公開されていませんが、一般的には30%から40%程度と言われています。
つまり、CCNAの試験を受ける人のうち、3人から4人に1人しか合格できないということです。
これは、他のIT関連の資格と比べても、かなり低い合格率です。
CCNAの合格率を上げるためには、以下のような取り組みが大切です。
・CCNAの試験範囲をしっかりと把握する。
・CCNAの公式教材や参考書を使って、理論と実践をバランスよく学習する。
・シミュレーターや実機を使って、ネットワークの構築・運用の実践力を鍛える。
・過去問や模擬試験を解いて、試験の傾向と対策を練る。
2. CCNAの試験概要
CCNAの試験は、以下のような概要になっています。
2-1. 試験時間
CCNAの試験時間は、120分です。
この時間内に、100問程度の問題を解く必要があります。
問題の形式は、選択問題やドラッグ&ドロップ問題、シミュレーション問題などがあります。
シミュレーション問題は、実際のネットワークの状況を再現した問題で、コマンドラインインターフェース(CLI)を使ってネットワークの設定やトラブルシューティングを行う必要があります。
2-2. 合格点
CCNAの合格点は、825点と言われています。
CCNAの試験は、1000点満点で採点されますが、各問題の配点は公開されていません。
また、合格点は、試験の難易度によって変動する可能性があります。
つまり、試験が難しい場合は、合格点が低くなることがあります。
2-3. 試験範囲
CCNAの試験範囲は、以下の6つのカテゴリーに分かれています。
1.ネットワークの基礎(20%)
・ネットワークに関する基本的な知識やスキルを問われます。
2.ネットワークのアクセス(20%)
・VLANやトランキング、スパニングツリーなどのスイッチング技術に関する知識やスキルを問われます。
・DHCPやNATなどのIPアドレス管理やルーティング技術に関する知識やスキルを問われます。
・EtherChannelやHSRPなどの冗長化技術に関する知識やスキルを問われます。
3.IPコネクティビティ(25%)
・OSPFやEIGRPなどのルーティングプロトコルに関する知識やスキルを問われます。
・ACLやルーティングマップなどのルーティングポリシーに関する知識やスキルを問われます。
・IPv4とIPv6の共存や移行に関する知識やスキルを問われます。
4.IPサービス(10%)
・NTPやSNMPなどのネットワーク管理プロトコルに関する知識やスキルを問われます。
・QoSやMQCなどのネットワーク品質管理に関する知識やスキルを問われます。
・DNSやDHCPなどのネットワークサービスに関する知識やスキルを問われます。
5.セキュリティの基礎(15%)
・AAAやRADIUSなどのユーザー認証技術に関する知識やスキルを問われます。
・VPNやIPsecなどの暗号化技術に関する知識やスキルを問われます。
・ファイアウォールやIPSなどのネットワーク防御技術に関する知識やスキルを問われます。
6.自動化とプログラマビリティ(10%)
・REST APIやJSONなどのネットワークプログラミングに関する知識やスキルを問われます。
・AnsibleやPuppetなどのネットワーク自動化に関する知識やスキルを問われます。
・NETCONFやYANGなどのネットワークモデリングに関する知識やスキルを問われます。
3. CCNAの試験対策
CCNAの試験に向けて勉強する際に、試験対策のポイントを3つ紹介します。
3-1. ネットワークの基礎をしっかりと理解する
CCNAの試験では、ネットワークの基礎的な概念や用語が多く出題されます。
例えば、OSI参照モデルやTCP/IPモデル、IPアドレスやサブネットマスク、MACアドレスやARPなどです。
これらの基礎を理解しておくことで、応用的な問題にも対応できるようになります。
ネットワークの基礎を学ぶためには、CCNAの公式教材や参考書、オンラインコースなどを利用すると良いでしょう。
3-2. シミュレーション問題に慣れる
CCNAの試験では、シミュレーション問題という、実際のネットワークの状況を再現した問題が出題されます。
この問題では、コマンドラインインターフェース(CLI)を使って、ネットワークの設定やトラブルシューティングを行う必要があります。
この問題は、CCNAの試験の中でも難易度が高く、時間もかかるので、事前に慣れておくことが重要です。
シミュレーション問題に慣れるためには、シミュレーターや実機を使って、ネットワークの構築・運用の実践力を鍛えることが必要です。
シミュレーターや実機を使うためには、Ping-tやCCNAイージスなどのWebサイトや、Udemyなどのオンラインコースを利用すると良いでしょう。
3-3. 過去問や模擬試験を解く
CCNAの試験は、100問程度の問題を120分で解くという、かなりのスピードが求められる試験です。
そのため、時間配分や問題の傾向を把握するために、過去問や模擬試験を解くことが有効です。
過去問や模擬試験を解くことで、自分の弱点や誤解を見つけることもできます。
過去問や模擬試験を解くためには、Ping-tやCCNAイージスなどのWebサイトや、Udemyなどのオンラインコースを利用すると良いでしょう。
4. まとめ
CCNAは、ネットワーク技術者の入門レベルの資格です。
ネットワークの基礎から応用までを網羅した、世界的に認められた資格です。
CCNAを取得すると、ネットワークに関する幅広い知識やスキルを身につけることができます。
また、自分のネットワーク技術力を証明することができます。
試験に合格するには一般的には、約3ヶ月から6ヶ月の学習期間が必要とされていますので、参考書やオンラインコース、模擬試験などの学習教材を活用しましょう。
資格を取得すると、エンジニアとしての自信やレベルアップにつながります。
インフラエンジニアとしての高みを目指し、是非あなたもCCNAの試験に挑戦してみてください。