近年、IT業界は高い需要と平均年収の高さから、エンジニア職種は注目を集めています。
しかし、どのような職種や言語を学ぶことで、どの程度の収入が得られるのかは知らないという人も多いでしょう。
本記事では、ITエンジニアの平均年収を職種別や言語別にまとめ、キャリアアップのためのアドバイスを提供します。
ITエンジニアのキャリアアップと平均年収について:求める収入を得るためのスキルアップ方法と転職のポイント
1. 年代別エンジニア平均年収
まずは、ITエンジニアの年代別平均年収を見てみましょう。
データは、転職情報サイト「doda」が2022年に登録した約56万人の年収データをもとに調査したものです。
年齢が上がるごとに平均年収が上がっていくことが分かります。
これは、年功序列の影響も考えられますが、エンジニアとしてのスキルが高まり上流工程に携わる機会が増えることも要因と考えられます。
2. 職種別エンジニア平均年収
次に、職種別のITエンジニアの平均年収を見てみましょう。
以下の表も先ほどと同じく転職情報サイト「doda」が2022年の調査結果です。
プロジェクトマネジャーが最も高く、ヘルプデスクが最も低いことがわかります。
一般的に、プロジェクトマネジャーやプリセールス、ITコンサルタントなどの上流工程に携わる職種ほど年収が高く、デバッグ/テスター、ヘルプデスクなどの下流工程に携わる職種ほど年収が低い傾向があります。
3. 言語別エンジニア平均年収
TECH Street (テックストリート) がITエンジニアを対象に2020年に行った調査結果をもとに紹介していきます。
3-1. R
R言語は、データ処理や可視化や統計解析の分野で非常に優れたプログラミング言語であり、多くの企業や研究機関で使用されています。
AI開発などに用いられることは少ないですが、ビックデータを解析するパッケージが多数用意されておりそちらの用途で使用されます。
平均年収は475~753万円と非常に高水準で、特に20~40代では調査結果の中では一番高い年収となっています。
3-2. GO
Googleが2009年に開発した比較的新しい静的型付けのプログラミング言語です。
特徴として高速な処理速度、シンプルで分かりやすい、クロスプラットフォームに対応しているなど非常に汎用性が高いことが特徴で、スマホアプリ・Webアプリケーション・サーバ構築、API開発など幅広い分野で活用されています。
平均年収は397~562万円とばらつきが比較的少ないことが分かります。
3-3. Python
Pythonは人気の高い言語で、多様な分野で使用されています。
AI、データ分析、Web開発、自動化ツール開発などに利用されることが多いです。
また第三次AIブームと呼ばれる現在において今後も需要は増加が考えられます。
平均年収は403~624万円と比較的高いですがR言語と比較すると少ないことが分かります。
3-4. Ruby
日本発祥の言語で、Web開発に利用されることが多いです。
主要なフレームワークの1つであるRuby on Railsが人気を博していることもあり、需要はあるものの、PythonやR、GOに比べると平均年収は少なめです。
4. エンジニア年収を上げるには
4-1. 需要のある分野に挑戦
IT分野は技術革新の速度が非常に早く、需要のある分野で高いスキルを持つことで、高い年収を得ることができます。
例えば、AIやデータサイエンティスト、ブロックチェーンなど、最新技術を取り入れた分野は今後ますます需要が高まると予想されています。
また、セキュリティー関連の職種も、情報漏えいやランサムウェアに代表されるサイバー攻撃の問題が顕在化する現代社会において需要が高まっています。
こうした分野に特化してスキルを磨くことで、高収入を得られる可能性があります。
4-2. 上流工程を目指す
先ほどの職種別エンジニア平均年収でも紹介した通り、プロジェクトマネージャーやプリセールス、ITコンサルタントなど製品の上流工程を担うポジションは高い年収が期待できます。
上流工程とは、プロジェクトの企画や要件定義など、開発の初期段階に携わる仕事のことを指します。
これらのポジションに就くためには、高いエンジニアリング力だけでなく、企画力や問題解決能力、チームをまとめるコミュニケーション能力など、通常のエンジニアだと保持していないスキルが必要とされるようになり高年収となります。
4-3. 評価してくれる企業へ転職
エンジニアの年収を上げるためには、評価してくれる企業に転職することも重要です。
自分のスキルや能力がしっかりと評価され、適切な報酬を得られる企業に転職することで、年収を上げることができます。
具体的には、技術力に対する報酬が高い、福利厚生が充実している、キャリアアップ支援が行われているなどです。
ただし、単に年収や待遇が良いというだけでなく、自分がやりたい仕事ができる環境かどうか、将来的にキャリアアップできるかどうかなど、慎重に選ぶことが大切です。
5. まとめ
IT業界で働くエンジニアの年収について、年代別・職種別・言語別に平均年収を紹介しました。
また、エンジニアの年収を上げる方法として、需要のある分野に挑戦する、上流工程を目指す、評価してくれる企業へ転職するという方法を紹介しました。
エンジニアの年収は、年代や職種、使用する言語によって大きく異なります。
若い世代では平均年収が低めである一方、年齢が上がるほど年収も上がる傾向があります。
職種別では、プロジェクトマネジャーやプリセールス、ITコンサルタントなどの上流工程が最も高い平均年収の水準にあります。
言語別では、R言語やPython言語などがエンジニアの中で高い水準の年収でした。
エンジニアの年収を上げるためには、需要のある分野に挑戦することが大切です。
特に最近はAIやデータサイエンスなどが注目されており、それに関するスキルを身につけることで年収アップが期待できます。
また、上流工程を目指すことでより高い報酬を得ることができます。
そして、評価してくれる企業に転職することで、より高い年収を得ることができます。
エンジニアは、IT業界で求められる人材であり、その需要は今後も高まっていくと予想されます。
自己研鑽を続け、スキルアップに努めることで、より高い年収を得ることができるでしょう。
また、自分自身のライフプランに合わせた働き方を模索し、充実した人生を送ることができるようにしましょう。