ネットワークの基礎①

コンピュータは、さまざまな進化や発展を遂げてきました。

大型汎用コンピュータ、スーパーコンピュータ、ミニコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップコンピュータ、そして、スマートフォンと、多種多様なコンピュータが誕生してきました。

年々、性能は向上しています。

・大型汎用コンピュータ汎用機

…メインフレームとも呼ばれている大型コンピュータです。

また、ホストコンピュータと呼ばれることもあります。

※TCP/IPの世界では、IPアドレスが設定されたコンピュータは、ラップトップ型のコンピュータであっても「ホスト」と呼ばれるので、混同しないように注意しましょう。

・スーパーコンピュータ

…計算能力が非常に高いコンピュータです。

複雑な科学技術計算などに用いられます。

・ミニコンピュータ

…大型汎用コンピュータよりも「ミニ」サイズのコンピュータのことです。

実際の大きさはタンスほどの大きさがあります。

1. スタンドアロンからネットワーク利用へ

以前は、コンピュータをネットワーク接続はせずに単体で使われていました。

その利用形態のことをスタンドアロンと呼びます。


スタンドアロンのイメージ図


それぞれのコンピュータは独立し、顧客データは端末ごとにあり、それぞれを修正していく形態をとっていました。


コンピュータの進化により、それぞれ独立してしようするのではなく、複数のコンピュータを互いに接続して使うコンピュータネットワークで仕事ができるようになりました。

複数のコンピュータを繋ぎ、互いに情報共有したり、遠くのコンピュータに瞬時に送ったりすることができるようになりました。


ネットワークでのコンピュータ利用


コンピュータネットワークは、規模によりWANやLANなどに分類されることがあります。

・WAN

…WAN(Wide Area Network)は、地理的に離れた広範囲に及ぶネットワークです。

WANよりも狭い都市レベルのネットワークをMAN(Metropolitan Area Network)と呼ぶ場合もあります。

WANのイメージ図(離れた地域のコンピュータやLAN同士を接続したネットワーク)


・LAN

…LAN(Local Area Network)は、フロア内や、1つの建物の中などの比較的狭い地域の中でのネットワークになります。


LANのイメージ図(1つの建物など、限られた狭い地域のネットワーク)

2. コンピュータ通信から情報通信環境

初期のころは、管理者が指定された特定のコンピュータ同士を接続して使用していたが、インターネットに接続しているどのコンピュータとも通信ができるようになると、電話や郵便、FAXなどの通信手段を補うものとして、多くの人に受け入れられ普及しました。

こうして、インターネットという世界規模のコンピュータネットワークが構築され、現在の統合的な情報通信環境が実現されました。

3. コンピュータとネットワークの発展

多くの人にコンピュータが利用されるようになるために、バッチ処理形式のコンピュータが登場しました。


バッチ処理は、プログラムやデータなどを、まとめて一括で処理する方式です。

プログラムやデータをカードやテープに記録しておき、それを順番にコンピュータに読み込ませて一括処理を行う形態になっていきました。


はじめのころは、コンピュータはコンピュータの管理や運用を専門に行う計算機センターで処理を行っていました。

ユーザーがプログラムを作成したりデータ処理したい場合は、プログラムやデータを打ち込んだカードやテープを持って計算機センターに行く必要がありました。

3-1. バッチ処理

バッチ処理の流れ

カードに記述されたプログラムが、カードリーダーから入力されます。

コンピュータが処理し、数時間後にプリンタから結果が出力されます。


コンピュータはとても複雑なのもあり、プログラムを実行するには、専門のオペレーターに依頼する形がとられていました。

処理結果に時間がかかる際には、後日計算機センターに結果をとりに行く必要がありました。

3-2. タイムシェアリングシステム(TSS)

バッチ処理形式の次に登場したのが、タイムシェアリングシステム(TSS)です。

1台のコンピュータに複数の端末を接続し、複数のユーザーが同時にコンピュータを利用できるようになりました。

TSSの登場により、1人の人が1台のパソコンを使用することが可能になりました。


TSSのイメージ図(各端末からホストコンピュータにアクセス)


TSSの登場により、コンピュータの使い勝手が良くなりました。

インタラクティブ(対話的)な操作が可能になりました。

さらに、コンピュータと対話的にプログラミングできるBASICというプログラミング言語が開発されました。


それまでは、COBOLやFORTRANなどの言語を使用していたのですが、それらは、バッチ処理を前提にしてきました。

BASICはTSSを意識した言語で初心者用の言語として、多くの人にプログラミング言語を学習してもらうために開発されました。


ユーザーが直接コンピュータを操作できる環境が進み、コンピュータと端末の間は、通信回線でスター型に接続されました。

このときに、「ネットワーク(通信)」と「コンピュータ」の結びつきが始まったり、ミニコンピュータも登場しはじめて、オフィスや向上などに少しずつコンピュータが導入されるようになりました。

・スター型

…星型の中心にコンピュータがあり、周りに端末が配置される形態になります。

3-3. コンピュータ間通信

TSSでは、コンピュータと端末が結ばれただけで、コンピュータとコンピュータが結ばれたわけではありません。


コンピュータの性能が上がるとともに小型化が進みました。

また価格も急激に安くなったので、研究機関だけでなく一般の企業にもコンピューターが導入されるようになりました。

企業内の事務処理などでも使用したいというニーズが高まり、コンピュータとコンピュータの間で通信が行われる技術が生み出されました。


これまでは、コンピュータから別のコンピュータにデータを移したいとき、磁気テープやフロッピーディスクを使用し、一度外部記録媒体にデータを保存して、物理的に輸送しなければいけませんでした。


コンピュータ間の通信を可能にする技術により、瞬時にデータのやり取りができるようになりました。

利便性も高まり、利用者の目的に合わせた構築や運用が出来るようになり、コンピュータは身近なものになりました。

3-4. コンピュータネットワークの登場

1970年代初期になると、パケット交換技術によるコンピュータネットワークの実験が開始され、異なるメーカーのコンピュータ同士でも相互通信を可能にする技術が研究されるようになり、1980年代には、いろいろな種類のコンピュータを相互に接続できるコンピュータが登場しました。

スーパーコンピュータやメインフレームなどの大型のコンピュータから小型のパーソナルコンピュータまで、相互通信が可能になりました。


さらにこのころ、ウィンドウシステムの登場により、ユーザーにとってネットワークをさらに便利なものにしてくれました。

ウィンドウシステムを使えば、複数のプログラムを同時に実行しながら作業することができます。


たとえば、机の上のワークステーションで文書を作成しながら、メインフレームにログインしプログラムを実行し、データベースサーバーから必要なデータをダウンロードしたりすることができます。

さらに同時に電子メールでのメッセージのやり取りをするといった作業も行うことが出来たりするので、一台のコンピュータ上で、たくさんのコンピュータ資源を活用できるようになりました。

3-5. インターネットの普及

1990年代には、企業や大学で一人につき1台ずつコンピュータが割り当てられ、ユーザー
がコンピュータを専有して使用できる環境になってきました。

ダウンサイジング、マルチベンダ接続(異機種間接続)という言葉がでてきました。


異機種間で使用できるインターネット通信技術のことで、安価にシステム構築しようとする流れができました。

同じ時期に、インターネットメール(E-MAil)の利用、WWW(World Wide Web)による情報発信のブームが起こり、企業や一般家庭にインターネットが普及していきました。

・ダウンサイジング

…機器や性能を保ったまま小型化、小規模化することを指します。

IT分野で言えば、大型のメインフレームで行われていた企業システム構築を、小型コンピューターを利用するシステムに移行する動きが活発化されてきたことを指すことが多いです。

・マルチベンダ

…異なる製造元の製品を組み合わせて使用しシステム構築することをいいます。


インターネットの普及と発展は、通信のあらゆる分野に影響を与えました。

ネットワークにつながる機器も、「コンピュータ」に限らず、携帯電話、家電製品、ゲーム機などに広がっていきました。

従来の通信を支えてきたのは、電話網だったのですが、インターネット技術であるIP網が用意されて構築されるようになってきました。


IPプロトコルによる通信のイメージ図


・コンピュータ利用形態の変遷

バッチ処理時代

→タイムシェアリングシステムの時代

→コンピュータ間の通信の時代

→コンピュータネットワークの時代

→インターネット普及の時代

→インターネット技術の向上の時代

→TCP/IPネットワークの時代


これから詳しくTCP/IPネットワークの時代のプロトコルや技術について学習していきましょう。

4. TCP/IP

インターネットは通信技術を組み合わせたもので、その組み合わせを実現するために必要な技術がTCP/IPになります。

TCP/IPとは、通信プロトコルの総称です。

まずはプロトコルとプロトコルの標準化について学んでいきます。

5. プロトコル


プロトコルとは、コンピュータネットワークや通信技術の世界でよくでてくる言葉で、コンピュータでデータをやり取りするために定められた規格やルールのことを指します。

異なるメーカーのソフトウェアやハードウェア同士でも、共通のプロトコルに従うことで、通信が可能になります。


プロトコルの例として、インターネットで利用されているもので言えば、IP、TCP、HTTPなど、LANなどで使われているもので言えば、IPX、SPXといったものがあります。

プロトコルを体系的にまとめたものを「ネットワークアーキテクチャ」ということがあります。

6. プロトコルの標準化


コンピュータ通信が始まった当初は、体系化や標準化がされていませんでした。

各コンピュータメーカーが独自のネットワークアーキテクチャを使用していたため、異なるメーカーの製品を物理的に接続しても、正しく通信できず、利用者にとっては不便でした。

メーカーが違っていても互いに通信できるような互換性が重要であると認識されるようになりました。


この問題を解決するために、ISO(国際標準化機構)は、国際標準としてOSIと呼ばれる通信体系を標準化しました。

現在OSIモデルは普及してないのですが、OSI参照モデルはネットワークプロトコルを考えるときに引き合いに出されることも多いです。


TCP/IPは、IETFで提案・標準化が行われており、デファクトスタンダードとして世界でもっとも広く使われるプロトコルになりました。

インターネットで利用される機器やソフトウェアは、IETFによって標準化されたTCP/IPに準拠しており、コンピュータのハードウェアやOSの違いを意識することなく、ネットワークを利用できるようになりました。

・デファクトスタンダード

…国家機関や国際機関のような公的機関ではないが、事実上の業界標準を意味します。

7. プロトコルの階層化とOSI参照モデル

・プロトコルの階層化

ISOはOSIプロトコルを標準化する際に、通信に必要な機能を7階層に分け、機能を分割することで、複雑化するネットワークプロトコルを単純化しました。

・OSI参照モデル

第1層から第7層までの7つのモジュールを作って組み合わせれば通信が可能になります。

OSI参照モデルの各層の役割について説明します。


第7層 アプリケーション層…特定のアプリケーションに特化したプロトコル

第6層 プレゼンテーション層…機器固有のデータフォーマットと、ネットワーク共通のデータフォーマットの交換

第5層 セッション層…通信の管理、コネクションの確率/切断、トランスポート層以下の管理

第4層 トランスポート層…ノード間のデータ転送の信頼性を提供

第3層 ネットワーク層…アドレスの管理と経路の選択

第2層 データリンク層…接続された機器間でのデータフレームの識別と転送

第1層 物理層…コネクタやケーブルの形状の規定

・OSI参照モデルとTCP/IPの階層


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8. まとめ

ネットワークの基礎として、ネットワークの登場背景から、どんな風にネットワークの技術進化をしてきたのか、また通信のモデルについても学んできました。

次回以降で現在広く使われている通信プロトコルであるTCP/IPについて深く学んでいきたいと思います。