インフラエンジニアのキャリアアップに必要な資格とは?難易度別にご紹介!

インフラエンジニアとして活躍される方々の中には、社内の保守・運用案件に配属され、やりがいを感じながらも、日々ルーティンワークに追われて成長を実感できず、将来に不安を抱く方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、本記事では、そのような方に向けて、インフラエンジニアのキャリアアップに必要な資格についてご紹介します。

1. インフラエンジニアのキャリアアップに資格が必要な理由


インフラエンジニアとして、専門性を示すためには、明確で信頼性のある資格を取得することが欠かせません。

資格取得は、自身の専門知識やスキルを証明し、他者に説得力を持ってアピールする最も効果的な手段です。

資格を保有していることにより、仕事の幅が広がったり、転職や昇進も有利になったり、より質の高いプロジェクトに参加することができます。

特に高度な資格を保有しているエンジニアは、プロジェクトに参画するときの単価や、転職したときの年収に大きく影響しますので、フリーランスやSES、求職者については必須とも言えます。

2. インフラエンジニアにおすすめの資格一覧


2-1. シスコ技術者認定(CCNA)

難易度:★★
合格するための学習時間:約100時間〜200時間程度

CCNAの正式名称は「Cisco Certified Network Associate」であり、名前の通りシスコ社が主催するネットワーク技術の基礎知識を測るための資格です。

以前は複数の専門技術分野に関する試験がそれぞれ行われていたものが、2020年2月の改定により「CCNA」試験一つに集約されました。

CCNA試験問題は、主に以下のトピックに関する問題が出題されます。

・ネットワークの基礎
・ネットワーク アクセス
・IP コネクティビティ
・IP サービス
・セキュリティの基礎
・自動化とプログラマビリティ


出題形式はCBT(Computer-Based Testing)方式といって、問題用紙や解答用紙はなくコンピュータを用いた実践的な問題も出題されるという特徴があります。

1.複数選択問題:1つの問題に対して、複数の選択肢が提示されます。正しい選択肢を1つまたは複数選ぶ形式です。

2.シミュレーション問題:実際のネットワーク環境を再現し、実際に設定を行ったり、トラブルシューティングを行ったりする問題です。


今後、IoT、クラウド、ビッグデータなどの技術がますます普及する中で、ネットワーク技術者の需要は高まることが予想されます。

そのため、CCNAの取得は今後ますます重要になると考えられます。

2-2. LinuC(Linux認定資格)

難易度:★
合格するための学習時間:約50時間〜100時間程度

LinuC(Linux認定資格)は、オープンソースであるLinuxシステムを扱う技術者に求められる技術力を証明できる認定資格です。

LinuCは、レベル1、レベル2、レベル3の3段階の資格があり、段階的に合格することで、エキスパートエンジニアとして証明することができます。

LinuCレベル1は、Linuxシステムの基礎操作とシステム管理が行える技術者であることが認定され、主に以下の知識を持つことの裏付けとなります。

・仮想マシンとコンテナを含むLinuxサーバーの構築と運用・管理ができる。
・クラウドのセキュリティを理解し、安全に運用できる。
・オープンソースの文化を理解し、業務に活用できる。


また、Linuxを専門的に扱うプロジェクトは非常に多いため、この資格を取得していることはシステム業界においては非常に就職・転職に有利です。

2-3. オラクルマスター

難易度:★★
合格するための学習時間:約100時間〜200時間程度

オラクルマスターは、日本オラクル株式会社が運営する、Oracle Databaseに関する技術を認定するための資格の1つです。


オラクルマスターには、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナまで4つのレベルがあり、下位レベルの資格を保有していなくてもゴールドまでは試験を受けることが可能です。

入門向けであるブロンズは、Oracle Database のアーキテクチャや構成に関する用語を理解していること、データベースの日常的な運用管理について理解していることを確認するための試験とされており、管理業務を行う上で最低限必要な知識を有していることが認定される資格です。

CBTによる出題形式で、選択問題ですが、SQLと呼ばれるプログラミング言語を使ったデータベースの問い合わせや、データの管理方法など、エントリーレベルでありながら実践的な問題が出題されるため、無償版のOracle Databaseをダウンロードして、テーブルやレコードを作るなどして慣れることが合格への近道です。

2-4. AWS認定

難易度:★★★
合格するための学習時間:約100時間〜300時間程度

Amazon Web Servicesが運営するクラウドコンピューティングに関する知識や、AWS上でアプリケーションを設計できることを証明する資格です。


AWSの活用方法からアーキテクトまで全部で13もの資格があり、最も基礎的な資格が「AWS Certified Cloud Practitioner」ですが、こちらは営業職やビジネスアナリストなど非エンジニア向けの資格となっています。

インフラエンジニアとして評価を得るのであれば、その次のレベルである「AWS Certified Developer 」や「AWS Certified SysOps Administrator」が望ましいです。

この2つの資格を有することで、AWSを使った権限管理などのシステム管理者としての知識や、クラウドベースのアプリケーション開発の理解があることが認定されます。

2-5. ITパスポート

難易度:★
合格するための学習時間:約50時間〜100時間程度

情報システム、ネットワーク、データベースなど一般的なITの基礎知識が体系的に身についていることを証明する資格で、非エンジニアであっても保有している社会人も多く、社内の情報システム部門やシステム開発会社との円滑なコミュニケーションに役立ちます。


インフラエンジニアに関わらず、アプリケーションエンジニアなどIT業界で活躍する技術者にとって必須の資格とも言えます。

2-6. 基本情報技術者試験

難易度:★★★
合格するための学習時間:約150時間〜300時間程度

IPA(情報処理推進機構)という経済産業省のIT政策実施機関が運営している資格の一つで、プログラミングやネットワーク、データベースなど、IT エンジニアに必要な全般的な知識を保有していることが認められる国家試験です。


基本情報技術者試験は、ITパスポートの次に難易度の高い資格とされており、午前・午後と試験が分かれており、午前の部は全60問の四肢択一式、午後の部は多肢択一の長文読解式で、プログラミングやアルゴリズムなど、高度な知識が求められます。

しかし、この資格を取得することで、システムエンジニアやプログラマーの基礎スキルがあることを証明できるため、就職やキャリアアップに有利に働くことが期待できます。

2-7. 情報処理安全確保支援士試験

難易度:★★★★
合格するための学習時間:約200時間〜400時間程度

IPAの国家資格の中でも、レベル4に位置する高度な専門知識が必要とされる資格であり、サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの運用ができるスペシャリストとして認定されます。

合格率は20%と言われており、情報セキュリティ以外にもネットワークなど幅広い知識が必要とされるため、難関である分、取得すれば市場価値が高まる資格と言えます。

2-8. ネットワークスペシャリスト試験

難易度:★★★★★
合格するための学習時間:約300時間〜500時間程度

情報処理安全確保支援士試験と同じくレベル4の資格であり、ネットワークの設計や構築、運用、保守に関する高度なスキルを身につけていることが証明できます。

合格率は13~14%前後と非常に高難易度であることで知られていますが、取得することでネットワークエンジニアとしてのキャリアも広がるでしょう。

3. 資格取得のメリット


上記の資格を取得することで、インフラエンジニアとして以下のようなメリットがあります。


・就職や転職に有利になる
・技術者としてのスキルアップができる
・権威性により業界内での信頼度が高まる
・給与アップや昇進のチャンスが増える

4. まとめ

インフラエンジニアのキャリアアップに必要な資格を紹介しました。

各資格の受験方法や条件、受験料については、定期的に更新される可能性がありますので、最新情報を入手するために公式サイトなどを参照してください。

また、学習方法に関しては、参考書や問題集だけでなく、オープンソースや無償版のツールを活用して実践的な学習を行うなど、自身に適した教材を選びながら合格を目指しましょう。