オンプレミスとクラウドという言葉を聞いたことがありますか?
この2つは情報システムを運用する方法の違いを表す用語です。
オンプレミスとクラウドには、それぞれメリットやデメリットがあり、インフラエンジニアにとって、オンプレミスとクラウドの違いを理解することは必須のスキルです。
業務やシステムの目的に合わせて、最適な運用方法を選択するためにも、この記事では、オンプレミスとクラウドの違いをわかりやすく解説します。
オンプレミスとクラウドの違いをわかりやすく解説!インフラエンジニアに必要な知識とは?
1. サーバーとは
サーバーとは、ネットワーク上で他のコンピューター(クライアント)に対して、データやサービスを提供するコンピューターのことです。
例えば、インターネット上のWebサイトは、Webサーバーという特殊なサーバーに保存されており、ユーザーがブラウザでアクセスすると、WebサーバーからWebページのデータが送られます。
サーバーには、Webサーバーのほかにも、メールサーバー、ファイルサーバー、データベースサーバーなど、さまざまな種類があります。
2. オンプレミスの特徴
オンプレミスとは、自社の施設内にサーバーを設置し、自分たちで運用する方式のことです。
そのため、オンプレミスでは、サーバーの購入や設置、保守、セキュリティ対策など、すべてを自社で管理する必要があります。
具体的に、オンプレミスの特徴は以下のようになります。
1.サーバーの性能や容量、構成などを自由にカスタマイズできる
オンプレミスでは、自社のニーズに合わせてサーバーのスペックを選ぶことができます。
これにより、必要な性能や容量を確保し、業務に最適な環境を構築することが可能です。
2.サーバーのデータやシステムに対するアクセス権やセキュリティポリシーを自分たちで設定できる
オンプレミスでは、自社のセキュリティポリシーに基づいて、データへのアクセス権を設定したり、セキュリティ対策を施すことができます。
これにより、データの保護レベルを自社のポリシーに合わせて設定することが可能です。
3.サーバーの利用料金は固定されており、利用状況によって変動しない
オンプレミスでは、サーバーの購入費用や運用費用が固定されています。
そのため、利用状況による料金の変動はありません。
しかし、サーバーの導入や更新には高額な初期投資が必要であり、また、サーバーの故障や障害に対する対応や復旧も自社で行う必要があります。
4.サーバーの導入や更新には、高額な初期投資や時間がかかる
オンプレミスでは、サーバーの導入や更新には、サーバーの購入費用や設置費用、設定費用など、高額な初期投資が必要です。
また、サーバーの設置や設定には時間がかかります。
5.サーバーの故障や障害に対する対応や復旧は、自分たちで行わなければならない
オンプレミスでは、サーバーの故障や障害が発生した場合、自社で対応する必要があります。
これには、専門的な知識やスキルが必要であり、また、復旧までの時間がビジネスに影響を及ぼす可能性があります。
3. クラウドの特徴
クラウドとは、インターネットを通じて、サーバーのリソースやサービスを提供する方式のことです。
クラウドでは、サーバーの管理・運用は、クラウドサービスの提供者(クラウドベンダー)が行います。
具体的に、クラウドの特徴は以下のようになります。
1.サーバーの性能や容量、構成などを、必要に応じて柔軟に変更できる
クラウドでは、使用するリソースの量を必要に応じて増減させることが可能です。
これにより、ビジネスの成長や変化に合わせて、サーバーの性能や容量を柔軟に調整することができます。
これを「スケーラビリティ」と呼びます。
2.サーバーのデータやシステムに対するアクセス権やセキュリティポリシーは、クラウドベンダーに依存する
クラウドでは、サーバーの管理・運用はクラウドベンダーが行います。
そのため、セキュリティ対策やアクセス権の設定などは、クラウドベンダーのポリシーに依存します。
しかし、多くのクラウドベンダーは、高度なセキュリティ対策を提供しており、ユーザーはそれらを利用することができます。
3.サーバーの利用料金は、利用したリソースやサービスの量に応じて変動する
クラウドでは、利用したリソースやサービスの量に応じて料金が発生します。
これにより、必要なリソースだけを利用し、無駄なコストを削減することが可能です。
・サーバーの導入や更新には、低額な初期投資や時間がかからない
クラウドでは、サーバーの導入や更新に必要な初期投資や時間が大幅に削減されます。
これは、サーバーの購入や設置、設定などが不要であるためです。
・サーバーの故障や障害に対する対応や復旧は、クラウドベンダーが行ってくれる
クラウドでは、サーバーの故障や障害が発生した場合、クラウドベンダーが対応します。
これにより、ユーザーはサーバーの運用に関する負担を軽減することができます。
4. メリット・デメリット
1.オンプレミス
オンプレミスのメリットは、サーバーのカスタマイズ性やセキュリティ性が高いことです。
自分たちのニーズに合わせて、サーバーの性能や容量、構成などを調整できます。
また、サーバーのデータやシステムに対するアクセス権やセキュリティポリシーを自分たちで設定できるので、機密性の高い情報を扱う場合には安心です。
オンプレミスのデメリットは、サーバーのコストや運用負荷が高いことです。サーバーの購入や設置、保守、セキュリティ対策などには、多額の費用や時間がかかります。
また、サーバーの故障や障害に対する対応や復旧も、自分たちで行わなければならないので、専門的なスキルや人員が必要です。
2.クラウド
クラウドのメリットは、サーバーのコストや運用負荷が低いことです。サーバーの管理・運用は、クラウドベンダーが行ってくれるので、自分たちで行う必要がありません。
また、サーバーの性能や容量、構成などを、必要に応じて柔軟に変更できるので、ビジネスの変化に対応できます。
さらに、サーバーの利用料金は、利用したリソースやサービスの量に応じて変動するので、無駄な支出を抑えられます。
クラウドのデメリットは、サーバーのカスタマイズ性やセキュリティ性が低いことです。
サーバーのデータやシステムに対するアクセス権やセキュリティポリシーは、クラウドベンダーに依存するので、自分たちで細かく設定できない場合があります。
また、クラウドベンダーのサービスに障害が発生した場合や、インターネットの接続が切れた場合などには、サーバーにアクセスできなくなる可能性があります。
5. サーバーに関わりたいならインフラエンジニア
インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなどのITインフラストラクチャーを設計・構築・運用・改善するエンジニアのことです。
インフラエンジニアは、オンプレミスやクラウドのどちらのサーバーでも、その特徴やメリット・デメリットを理解し、最適な選択や設定を行うことができます。
インフラエンジニアになるには、サーバーやネットワークの基礎知識やスキル、クラウドサービスの利用経験や資格などが必要です。
6. まとめ
この記事では、オンプレミスとクラウドの違いについて、分かりやすく説明しました。
オンプレミスとクラウドの違いを理解することは、インフラエンジニアになるために重要なステップです。
オンプレミスとクラウドのどちらを選択するかは、ビジネスの目的や要件によって異なります。
インフラエンジニアは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを考慮して、最適なサーバーの選択や設定を行いましょう。