「AI、機械学習を学びたいけど、どの言語がいいのだろう?」
そんな方におすすめなのがPythonです。
本記事では、AIが私たちの日常でどのように活用されているのか。
そのようなAIに携わるAIエンジニアとはどのような仕事なのか。
そしてAI、機械学習を学ぶならPythonがおすすめな理由を紹介したいと思います。
AI、機械学習を学ぶならPythonがおすすめな理由
1. AIとは
AIとはArtificial Intelligenceの略称で、人間の思考や判断をコンピューターが模倣して、言語を理解したり、予測を立てたり、自ら学習するプログラムです。
現在のAIは、アニメや映画の世界のように完全に人間を模倣したアンドロイドのようなものはありませんが、イラストを描く、文章を書く、掃除をする、音楽をかけるなどの特定の分野で人間の代わりができるようなものは出てきています。
また、大量のデータを分析し、類似点を見つけ、予測するといったことを高速に行うことができます。
後者は人間には真似できることではなく、AIだからできることでしょう。
そして、AIは学習を繰り返していくことによって、成長していくことができる。
これが予め決められたプログラムにそって動作するロボットとは異なる点と言えるのではないでしょうか。
ここではみなさんもニュースや記事で目にする機会も増えてきているAIが、私たちの日常にどのように活用されているのか、いくつかの事例を紹介します。
1-1. ChatGPT
テレビでも取り上げられるくらい話題になったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
ChatGPTはAIチャットサービスの一つです。
チャット形式で人間相手のような自然なやりとりができます。
質問に対する回答や文章作成など、すでに仕事のサポート役として活用している方もいるのではないでしょうか。
1-2. 音声アシスタント
音声による指示で家電などをコントロールできるものです。
SiriやAlexaが身近なところではないでしょうか?
ChatGPTとは異なってタイマーをセットしたり、好きな音楽をかけたりといった簡単な指示が中心ですが、AIの進化によってより複雑な指示ができるようになると、日常生活に身近なところなので、利便性がより実感できるところかもしれません。
1-3. 自動車の自動運転
自動車の自動運転はまだ実用レベルになっていませんが、各自動車メーカーが実証実験を繰り返している分野で、カメラやセンサーを駆使して前車に追従して一定の速度を保ったり、白線から脱線しそうな時にハンドルを操作したり、歩行者を検知したりといった人間の運転をサポートする機能はすでに実装されています。
今後は人間が一切運転しない完全自動運転が実現されて、運送業の人手不足といった課題解決の一助となるかもしれません。
2. AIエンジニアとは
AIエンジニアとはAIの開発やそれを活用した課題解決を行うエンジニアです。
AIに任せたい仕事に関するデータを与えて、人間の思考や判断を学習させていきます。
これを繰り返していって、思考や判断の精度を高めていくのが機械学習です。
このように育成したAIをシステムに組み込み、ビジネスのアイデア実現や課題解決を行っていきます。
AIエンジニアの仕事は大別するとAIに学習させる分野と育成したAIを仕事に活用する分野になり、前者はAIの研究者・開発者、後者はAIエンジニア、データサイエンティストと定義することもありますが、これらに明確な定義はなく、広い意味では両方の分野について知識や技術を持っているのがAIエンジニアと言えるのではないでしょうか。
3. よく使われる言語 Python
AI開発でよく使われる言語としてPythonがあります。
「AI」、「機械学習」といったキーワードで検索するとPythonは検索結果の上位に出てきますし、人気の言語ランキングでも上位をキープしています。
ここではAI、機械学習でPythonがおすすめな理由を紹介したいと思います。
4. Pythonとは
Pythonとはオープンソースのプログラミング言語の一つです。
特徴は「文法がシンプル」、「動作確認が簡単」、「応用範囲が広い」、そして「AI開発に特化したフレームワーク・ライブラリが豊富」の4点です。
「AI開発に便利なフレームワーク・ライブラリが豊富」という点がAIの開発でよく使われる理由ではないでしょうか。
では4点の特徴について、以下で紹介します。
4-1. 文法がシンプル
Pythonは文法がシンプルです。
Javaが数行のコードを必要とする処理をPythonなら1行で同じ処理が書ける場合があります。
コードの記述量が少ないということは、可読性が上がり、バグが混入しづらいです。
また、習得のハードルが下がるので初学者にやさしいと言えます。
4-2. 動作確認が簡単
Pythonはインタプリタ言語です。
インタプリタ言語とはコンパイルが不要な言語です。
Ruby、PHP、JavaScriptなどもインタプリタ言語です。
コンパイルが不要ということは、コードを書いたらすぐに実行してデバッグに入ることができます。
コードを書くということは、この繰り返しなので動作確認が簡単にできるのは効率がいいと言えます。
4-3. 応用範囲が広い
PythonはAI開発、機械学習に強いというイメージがありますが、言語自体はそれらに特化しているわけではありません。
みなさんもご存知のYouTube、Instagram、AmazonなどのWebアプリの開発にも利用されています。
これらのWebアプリは部分的にAIを活用しています。
WebアプリとAIの開発が同じ言語でできるのは応用範囲が広いと言えます。
4-4. AI開発に特化したフレームワーク・ライブラリがある
Pythonという言語自体はAI開発に特化しているわけではないと書きましたが、フレームワークやライブラリは通常のシステム開発でも必須なので、AI開発に特化したフレームワークやライブラリがあるというのは他の言語と比較して大きなアドバンテージです。
PythonがAI開発でよく使われる理由はここにあるのではないでしょうか。
5. よく使われるフレームワーク
Pythonでよく使われるフレームワークは、DjangoやFlask、Bottleといったところが検索上位にはいってきますが、ここでは機械学習という分野に絞って以下の2つを紹介します。
5-1. TensorFlow
TensorFlowは、Googleによって開発されたオープンソースの機械学習用のフレームワークです。
Googleのサービス内で広告の最適化、画像判定、言語翻訳などに使われているようです。
特徴としては、産業分野での人気が高く、Kerasというライブラリを利用することによって実装が簡単にできることです。
TensorFlowはPythonの他にC++、Java、Goでも使用することができますが、KerasはPythonでしか使用できないので、TensorFlowはPythonで利用するといいでしょう。
5-2. PyTorch
PyTorchは、Meta(旧Facebook)によって開発されたオープンソースの機械学習用のフレームワークです。
特徴としては、研究分野での人気が高く、既存のライブラリ(Numpy)に操作性が類似していることによって、Pythonエンジニアであれば実装が簡単にできることです。
また処理の実行方式がTensorFlowとは異なることによってデバッグがしやすいです。
ただしPyTorchはPythonにしか対応していません。
6. まとめ
以上、AI、機械学習を学ぶならPythonがおすすめな理由を紹介しました。
おすすめな理由としては、以下の4点となります。
1. 文法がシンプル
2. 動作確認が簡単
3. 応用範囲が広い
4.AI開発に特化したフレームワーク・ライブラリがある
Pythonは言語の人気ランキングでも上位をキープしていますし、AI、機械学習は応用範囲がますます広がっていくと予測しているので、GoogleやMetaといった巨大IT企業も自らフレームワークを開発しているのでしょう。
既存のエンジニアの仕事もAIに任せる分野が広がっていくと考えられるので、PythonでAI、機械学習をしっかり学んでいきたいところです。