LINUXの資格はLPICとLinuCのどちらがおすすめ?試験内容や難易度の違いを解説

LINUXとは、オープンソースで開発されたOSで、サーバーやクラウド、IoTなどの分野で広く利用されており、LINUXのスキルを証明する資格は、IT業界で高い需要があります。

LINUXの資格には、主にLPICとLinuCの2つの種類がありますが、それぞれにどのような違いがあるのでしょうか?

また、自分に合った資格を選ぶ際には、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか?


この記事では、LPICとLinuCの違いとおすすめの選び方について解説します。

1. Lpic:試験概要


LPICとは、LINUX Professional Institute(LPI)が主催するLINUXの国際的な資格のことです。

LPICは、LINUXの知識とスキルを客観的に評価するために、世界中で統一された試験を実施しています。

試験は3つの難易度別に分かれており、いずれも有効期限は、最後に受験した科目から5年間となります。

それぞれの試験の特徴について解説します。

1.LPIC-1

LINUXの基本的な操作や管理を行うことができる資格です。

 ・対象試験
  101試験、102試験(5年以内に両方取得すること)

 ・試験時間
  各90分

 ・出題数
  各約60問

 ・出題形式
  CBT方式(マウス選択問題、キーボード入力問題)

 ・合格ライン
  65~75%程度(変動あり)

2.PIC-2

LINUXによるシステム構築、ネットワーク構築など、中級的な操作や管理を行うことができる資格です。

誰でも受験できる訳ではなく、LPIC-1の合格が受験の前提条件となります。

 ・対象試験
  101試験、102試験(5年以内に両方取得すること)

 ・試験時間
  各90分

 ・出題数
  各約60問

 ・出題形式
  CBT方式(マウス選択問題、キーボード入力問題)

 ・合格ライン
  65~75%程度(変動あり)

・前提条件
  LPIC-1に合格していること

3.LPIC-3

LINUXの上級的な操作や管理を行うことができる資格です。

専門分野ごとに試験が分かれており、LPIC-2の合格が受験の前提条件となります。

 ・対象試験
  300試験:混在環境
  303試験:セキュリティ
  304試験:仮想化と高可用性

 ・試験時間
  各90分

 ・出題数
  各約60問

 ・出題形式
  CBT方式(マウス選択問題、キーボード入力問題)

 ・合格ライン
  65~75%程度(変動あり)

 ・前提条件
  LPIC-2に合格していること

2. Lpic:難易度


LPICの各レベルの学習時間と難易度については以下のようになります。


 ・LPIC-1
  難易度はエントリーレベルで、IT未経験者でも集中して勉強すれば、1か月程度の学習で合格できると言われています。学習時間の目安は、IT未経験者で150時間、IT経験者で100時間前後です。

 ・LPIC-2
  難易度はエントリーレベルよりも高く、実務に近い内容で知識だけではなく、実践的な技術力を身につける必要があります。学習時間の目安は100時間前後です。

 ・LPIC-3
  難易度は上級レベルで、レベル2の知識に加えて、専門的な知識や技術を持っていることが求められます。学習時間の目安は、200時間前後です。

3. LinuC:試験概要


LinuCとは、一般社団法人LINUX Foundation(LF)が主催するLINUXの国内的な資格のことです。

LinuCは、LINUXの知識とスキルを日本のIT業界のニーズに合わせて評価するために、日本独自の試験を実施しています。

試験は3つの難易度別に分かれており、LPICのような資格の有効期限はありません。


それぞれの試験の特徴について解説します。

1.LinuC Level1

LINUXの基本的な操作や管理を行うことができる資格です。

主に物理・仮想Linuxサーバーの構築と運用に関する知識が求められます。

 ・対象試験
  101試験、102試験(5年以内に両方取得すること)

 ・試験時間
  各90分

 ・出題形式
  CBT方式

 ・出題数
  各約60問

 ・合格ライン
  65~75%程度(変動あり)

2.LinuC Level2

LINUXの中級的な操作や管理を行うことができる資格です。

仮想マシン・コンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設定・構築についての知識が求められます。

 ・対象試験
  201試験、202試験(5年以内に両方取得すること)

 ・試験時間
  各90分

 ・出題形式
  CBT方式

 ・出題数
  各約60問

 ・合格ライン
  65~75%程度(変動あり)

3.LinuC Level3

LINUXの上級的な操作や管理を行うことができる資格です。

3つの独立した試験、300試験、303試験、304試験の3つから構成されており、いずれか1つの試験に合格し、かつLinuCレベル2の認定が必要です。

 ・対象試験
  300試験:混在環境
  303試験:セキュリティ
  304試験:仮想化と高可用性

 ・試験時間
  各90分

 ・出題形式
  CBT方式

 ・出題数
  各約60問

 ・合格ライン
  65~75%程度(変動あり)

4. LinuC:難易度


LinuCの各レベルの学習時間と難易度については以下のようになります。


 ・Level1:Linuxシステムの基本操作とシステム管理ができるレベルです。IT業界未経験者でも200時間ほどの勉強で合格できると言われています。

 ・Level2:Linuxのシステム設計やネットワーク構築ができるレベルです。レベル1の認定を取得している前提で、60〜120時間の勉強で合格できると言われています。

 ・Level3:Linuxを用いた大規模システム構築やコンサルティングができるレベルです。レベル2の認定を取得している前提で、1年程度の勉強時間が必要と言われています。

5. それぞれの特徴とおすすめ


LPICとLinuCどちらが受かりやすいということはなく、受験料や試験難易度、試験時間、出題形式が同じ条件のため、基本的にはどちらを受験しても良いでしょう。

ただし、外資系企業やグローバルで活躍することを考えているのであれば、LPICは国際的な基準で認定された内容が多く、システムアーキテクチャやファイルシステムなどの基礎的な知識に関する問題が多いです。


一方、LinuCは日本市場に特化した内容で、仮想化やコンテナなどの技術に関する問題が多いため、日本での就職や転職を考えている人や、LINUXの基礎を学びたい人におすすめです。

また、設問についてもLPICは英語を日本語に翻訳しているため問題文を読み解く力が必要ですが、LinuCはLPICと比較して内容がスムーズに入ってきやすいという違いがあります。

6. まとめ

LINUXの資格は、IT業界でのキャリアを築く上で非常に価値のあるものです。

しかし、どちらの資格を取得するかは、自身のキャリアパスや興味のある技術領域、さらには学習に費やせる時間やリソースによって異なります。

資格取得の道のりは決して簡単ではありませんが、LINUXの深い理解と技術的なスキルを身につけることで、あなたのキャリアに大きな価値をもたらすことでしょう。


この記事が、あなたの資格取得の旅の一助となれば幸いです。

ぜひ、自身の目標と能力を信じてLINUXの世界への一歩を踏み出してみてください。