こちらでは、CCNAの資格取得へ向けた情報を記載いたします。
【初心者向け】CCNA基礎 10章
1. サブネットマスクについて
サブネットマスクとは、IPアドレス内の「ネットワーク」の部分と、「コンピュータ」の部分がそれぞれどこからどこまでかを表す情報のことを指します。
もう少し掘り下げるとそもそもIPアドレスとは、ネットワークを識別する「ネットワーク部」と、そのネットワーク上のホストと呼ばれるPCやルータなどのネットワーク機器を識別する「ホスト部」の2つから構成されているものとなります。
そのため、ネットワーク部の長さは常に同じではないので毎回割り当てられたIPアドレスに応じて、その長さが異なります。
そこで、先程の「サブネットマスク」を使用することでどの部分がネットワーク部かを見極めることが可能になります。
この見極めがきちんと出来ていないと、通信する相手が自分と同じネットワークに所属しているかがわからずに、通信そのものができなくなってしまうので、欠かせない存在となっているわけです。
サブネットマスク自体は、IPアドレスと同じく32ビットで表記されています。
例えばこれを2進数で表そうとした場合、ネットワーク部にあたる部分を「1」とし、ホスト部にあたる部分を「0」と表してくれるので、パッと見た時に、どこがネットワーク部分とコンピュータ部分かが解りやすくなっている、というのが特徴とも言えます。
また、IPアドレスとサブネットマスクをそれぞれ並べた際に双方の値が「1」であれば、必ず「1」となり、「0」であれば、同じく「0」とする「AND演算(論理積)」を用いてIPアドレスが作成されます。
1-1. プレフィックス長
プレフィックス長とは、サブネットマスク内の先頭の1ビットの数を指しており、ネットワークに属するIPアドレスの範囲を規定しています。
プレフィックス長は0~32の数値で表されています。
また、サブネットマスクは「192.168.111.1/22」という表記をすることもあり、この表記方法を「CIDR(Classless Inter-Domain Routing)表記」もしくは「プレフィックス長表記」とも呼び、IPアドレスの上位22ビット部分が1となるサブネットマスクを利用するという意味で「/22」の部分が「ネットワーク部の長さ」を表しています。
このアドレスの場合は、22ビットがネットワーク部となり、10ビットがホスト部となる構造になっています。
そのため、ホスト部のビット数で表現できるパターンの数だけ、該当のネットワーク内でアドレスが利用可能、ということになります。
2. IPv4アドレスのクラスについて
ネットワーク部とホスト部の境界部分は固定されていないため、サブネットアスクでその境界を表すという話は先ほど記載しましたが、それ以前はネットワーウ部とホスト部の境界部分をアドレスの範囲でそれぞれ決めていました。
この様な考え方を「クラス」と言い、この方式自体を「クラスフル」と呼びます。
IPv4アドレスはネットワークの規模によって、それぞれ「ABCDE」の5種類のクラスで分類されています。
以下は、各クラスの詳細です。
・Aクラス
アドレスの範囲はIPアドレスの1ビット目が0となるクラス。(0.0.0.0~127.255.255.255)
ネットワーク部は8ビットで、ホスト部は24ビットとなり、割り当て可能なネットワーク数は126です。
また、このクラスの最大ホスト数は、16,777,214です。
・Bクラス
アドレスの範囲はIPアドレスの2ビット目が10となるクラス。(128.0.0.0~191.255.255.255)
ネットワーク部は16ビットで、ホスト部は16ビットとなり、割り当て可能なネットワーク数は16,384です。
また、このクラスの最大ホスト数は、65,534です。
・Cクラス
アドレスの範囲はIPアドレスの3ビット目が110となるクラス。(192.0.0.0~223.255.255.255)
ネットワーク部は24ビットで、ホスト部は8ビットとなり、割り当て可能なネットワーク数は2,097,152です。
また、このクラスの最大ホスト数は、254です。
・Dクラス
アドレスの範囲はIPアドレスの4ビット目が1110となるクラス。(224.0.0.0~239.255.255.255)
このクラスは「IPマルチキャスト用」のクラスなので「ネットワーク部」「ホスト部」や「割り当て可能なネットワーク数」などの項目は存在しません。
・Eクラス
アドレスの範囲はIPアドレスの5ビット目が1111となるクラス。(240.0.0.0~255.255.255.255)
このクラスは実験の際に使用されるクラスなので、先程と同様に「ネットワーク部」「ホスト部」や「割り当て可能なネットワーク数」などの項目は存在しません。
この様に、それぞれのクラスによって使用できる端末数や、それぞれの境界が異なっています。
見分け方としては、各アドレスの第1オクテットに違いがあるので、その点に着目すると解るようになっています。
しかし、このクラスフル方式はネットワークの規模をザックリと分けたものなので、実際のところでは膨大な余剰アドレスを発生させる原因となってしまいました。
そのため、現在は任意のビットでネットワーク部とホスト部の境界部分を定められる「クラスレス」と呼ばれる方式が利用されるようになっています。
2-1. 特殊アドレスについて
IPアドレスの中には、既に用途が決まっている様な特殊アドレスがあります。
以下がその特殊アドレスの詳細です。
・1バイト目が「0」のもので、主にデフォルトルートなどに利用されるアドレス。
・1バイト目が「127」のもので、主にローカルループバックアドレスに利用されるアドレス。
・1バイト目が「224~239」のもので、主にIPマルチキャストアドレス(先程のクラスD)として利用されるアドレス。
・1バイト目が「240~255」のもので、主に実験などで利用される(先程のクラスE)アドレス。
この様な特殊アドレスは既に予約がされており、ホストに割り当てられないものとなっています。
他にもいくつか特殊アドレスは存在しますので、気になった方は是非調べてみてください。
3. まとめ
お疲れ様でした。 ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は項目数も少なく、特に計算問題もなかったので、割と入ってきやすい内容になったのではないでしょうか。
次回は、サブネット化の概要についてまとめていきます。