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【初心者向け】CCNA基礎 9章
1. IPv4とIPv6の関係について
IPv4アドレスが枯渇している問題について前回まとめていましたが、その枯渇問題を受けて、新たに作られたプロトコルがバージョン6のIPであるIPv6となります。
また、IPv6の策定だけではなくIPv4アドレスをこれ以上消費しないための方法も同時に考えられ、RFC1918にて策定されたプライベートIPアドレスやNAT(RFC1631)こそがそれにあたります。
ちなみにRFCとは、「インターネットに関する技術の標準を定めるIETFが正式に発効する文書を指します。
グローバルIPアドレスは「IANA(Internet Assigned Numbers Authority)」という組織によって管理されており、このIANAによると、前回も記載した様に、2011年時点で新規に割り当て出来るIPv4アドレスが枯渇してしまったとの発表がありました。
しかしこれは、あくまで新規分のIPv4アドレスについての話であり、既存のIPv4アドレスを利用出来なくなるという話ではありません。
そのため、IPv6の導入も日に日に進んでいますが、やはり現時点ではIPv4アドレスが主流あることに変わりはありません。
よって、試験で出題される問題についてもこのIPv4アドレスに関する問題が多く出題されているようです。
2. グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
IPアドレスには、インターネット上で利用される「グローバルIPアドレス」と社内や家庭内で利用される様な「プライベートIPアドレス」の2種類に分けられます。
以前も少し触れましたが、前者のグローバルIPアドレスはインターネット上でたった1つの重複しないものでないといけません。
しかしながら、世界中の端末へこれを割り当てるためにはそれだけの数が必要となってしまいますし、多すぎるので当然枯渇してしまいます。
そこで登場したのが、後者のプライベートIPアドレスなのです。
このプライベートIPアドレスとして割り当てられた範囲のIPアドレスは、同じLANの中で重複していなければ、自由に割り当てすることが可能です。
原理としては、このプライベートIPアドレスを利用して他の会社や家庭のLANと直接通信することができないため、他の場所であれば、同じIPアドレスを使用しても問題はないということになります。
このIPアドレスを使用することで、全ての端末にグローバルIPアドレスを割り当てる必要がなく、対象の会社や家庭に最低1つだけグローバルIPアドレスがあれば、外部とも通信が出来るようになります。
しかしプライベートIPアドレスはインターネットでは使えないIPアドレスなので、インターネットを利用する場合はNATという機器を利用することで、グローバルIPアドレスへ変換して初めて利用が可能となります。
3. 進数
IPアドレスを扱う際には、「2進数」と「10進数」を理解しておく必要があります。
この「進数」とは、あらかじめ定められた種類の数字(または記号)を並べたものを指します。
つまり、「2進数」なら「0」と「1」の2種類の数字を並べて構成されたもので、「10進数」は「0~9」の10種類の数字を並べて構成されたものとなります。
この2つの他にも「16進数」というものがあり、こちらは「0~9」の数字と、「A~F」までのアルファベットの組み合わせで構成されています。
3-1. 2進数
2進数は、「0」と「1」の数字のみで構成されておりそれぞれの桁が「2」になった時点で桁が上がるのが特徴です。
例えば、2進数で「2」を表す場合は「1」と「0」を組み合わせた「10」で表します。
この2進数は、主にコンピュータの世界でよく用いられておりコンピュータが扱う最小のデータ単位である「ビット」は、「0」か「1」の値を取得するため、よく利用されている進数となります。
3-2. 10進数
10進数は、「0~9」の数字のみで構成されておりそれぞれの桁が「10」になった時点で桁が上がるのが特徴です。
この進数については、「10の何乗か」という観点でみると解りやすいです。
例えば、「100」は「10の2乗」で、「10」は「10の1乗」と変換する流れとなります。
この10進数は、主に普段の生活で使う数値に用いられており分かりやすいものだと、長さを測るメートル法などがその対象となっています。
4. IPアドレスの表記方法について
これまでの内容を踏まえた上で、IPアドレスの表記方法について解説していきます。
まず、IPv4アドレスは32ビットなので、4バイトと置き換えます。
この場合、コンピュータ上では「11000000101010000000101100000001」という状態で表記されます。
また、IPv4アドレスを表記する場合には、8ビットごとに10進数で表して「.(ドット)」でそれぞれ区切る必要があります。
そのため、2進数で8ビットごとにドットで区切ると「11000000.10101000.00001011.00000001」と表記されることとなります。
なお、それぞれドットで区切られている部分を「オクテット」と呼び左から順に「11000000」の部分が「第1オクテット」。
その次が「第2オクテット」「第3オクテット」「第4オクテット」となっていきます。
さらにこれを、1オクテットごとに10進数に変換していくと第1オクテットは「192」、第2オクテットは「168」、第3オクテットは「11」、第4オクテットは「1」となります。
ここまで変換して初めてIPv4アドレスが解るようになり、今回のIPv4アドレスは「192.168.11.1」ということになります。
以下が、細かい計算内容です。
第1オクテット:1×128+1×64+0×32+0×16+0×8+0×4+0×2+0×1=192
第2オクテット:1×128+0×64+1×32+0×16+1×8+0×4+0×2+0×1=168
第3オクテット:0×128+0×64+0×32+0×16+1×8+0×4+1×2+1×1=11
第4オクテット:0×128+0×64+0×32+0×16+0×8+0×4+0×2+1×1=1
5. まとめ
お疲れ様でした。 ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は進数の話題が出てきたので、一気に数学の色が強くなり、混乱する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最後のIPアドレスの表記方法の部分については皆さんも是非一度、ご自身のIPアドレスを変換・計算してみてください。
次回は、サブネットマスクや、IPv4アドレスのクラスについてまとめていきます。