こちらでは、CCNAの資格取得へ向けた情報を記載いたします。
【初心者向け】CCNA基礎 11章
1. サブネット化について
サブネット化とは、別名「サブネッティング」とも言われており1つのネットワークを複数の小さなネットワークに分割することを指しています。
こうすることで、セキュリティの向上をはかったりブロードキャストの制御やIPアドレスを節約することが出来るといったメリットがあります。
通常、同じネットワークに属している端末の場合、スイッチングハブなどの機器を介することで、直接通信ができてしまいます。
そのため、社内で他の部署の人間に見られたくない様なデータがあると、上記の方法を用いて盗み見される危険性があります。
そのため、ネットワークごと別に分けてルータを中継させてあげることで、パケットのフィルタリング機能を利用し、不要なアクセスを制限することが可能になります。
また、1つのネットワーク内に多くの端末が属していると、ブロードキャストのパケット自体が通信に影響する場合があるため、こちらも同じく上記の様に分けて対応することで、負担を軽減させることが出来ます。
さらに、ルータ自体がブロードキャストを通さない仕組みになっているので、通信の範囲を制限することも可能です。
アドレスの節約、という観点で見てみると、例えば前回記載したクラスフル方式でいう「Cクラス」のIPアドレスを割り当てたとします。
すると、最大で254個のホストを接続可能ですが、実際に接続するホストの数がこの数より少なかった場合、その分のアドレスが使われない状態となり、折角のアドレスが無駄になってしまいます。
これをサブネット化してネットワークを分けることで、それぞれのネットワーク上で無駄になってしまうアドレスを減らすことが出来ます。
1-1. サブネット化の流れとナチュラルマスク
サブネット化するには、当然サブネットマスクがとても関係してきます。
基本的には、IPアドレスはネットワーク部とホスト部の2つで構成されていますが、サブネット化をする場合は、各クラスに基づいたIPアドレスのホスト部の一部分を、サブネット部に置き換えることで対応していきます。
その結果、サブネット化したIPアドレスは「ネットワーク部」「サブネット部」「ホスト部」の3部構成となります。
この場合は「サブネット部」も含めてネットワーク部とします。
また、各クラスに対してデフォルトで割り当てられているサブネットマスクのことを「ナチュラルマスク」と言い、クラスによってIPアドレスがそれぞれ決まっています。
1-2. サブネット数とホスト数
先程のサブネット化を行った場合、分けることができるサブネット数や、それぞれのネットワーク上に接続出来る最大ホスト数などは簡単に計算することが可能となっています。
まず注目すべきなのは「プレフィックス長」の部分で例えばCクラスのIPアドレスをサブネット化した場合、プレフィックス長を27ビットだとして、元のネットワーク部が24ビットとします。
この場合のサブネット部は、「プレフィックス長-ネットワーク部」の数値となるので「27-24=3」となり、サブネット部は3ビットとなります。
ここまで来たら、サブネット数を求める計算式である「サブネット数=2のx乗」を利用して計算していきます。
よって、サブネット数は3ビットで表せる数のパターン数となるので「2の3乗=8個」という計算結果となります。
また、サブネット部のビット数が全て0か1の場合は、2を引いた6個となり、その際の計算式は「サブネット数=2のx乗-2」となります。
一方、最大ホスト数については、ホスト部のビット数から計算できます。
先程の場合だと、「32-24-3=5」となります。
ホスト数の計算式も先程のサブネット数と同様「ホスト数=2のx乗」となるため、今回は「2の5乗=32」となります。
また、ホスト部のビット数が全て0か1の場合は、2を引いた30個となり、その際の計算式は「ホスト数=2のx乗-2」となります。
2. VLSMについて
VLSM(Variable Length Subnet Mask)とは、別名「可変長サブネットマスク」とも言い、1つのネットワークを異なるプラフィックス高を持つ複数のサブネットに分けることが出来るクラスアドレッシングの1つを指します。
例えば、「192.168.12.0/24」というIPアドレスのプレフィックス長を「/27」に拡張して サブネット化を行い、全てのネットワークへ同じプレフィックス長のネットワークを割り当てます。
ネットワークをサブネット化する際に分割されたネットワークで全て同じプレフィックス長を使う事を「FLSM(Fixed Length Subnet Mask)」と言い、別名「固定長サブネットマスク」とも呼ばれています。
今回の場合は、ホスト部が5ビットとなっているので、各ネットワークには「2の5乗-2=30個」のアドレスが割り当てられたということになります。
そのため、この場合だと全てのサブネットでも最大ホスト数が同じ値となります。
また、サブネットによって実際に接続するホスト数が異なってしまうと、使用されない不要なアドレスが発生してしまうため、あまり効率的ではありません。
そこで、先程冒頭で登場した「VLSM」を利用することで、サブネットを複数に分類し無駄を省くことが可能なのです。
3. ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス
端末自身やネットワーク機器などにIPアドレスを割り当てたりそれぞれに正しくIPアドレスが割り当てられているかを確認する際に、同じネットワークに属しているIPアドレスなのかを考えなければならない場合があり、その場合は、それぞれのネットワークアドレスを見て判断することが出来ます。
3-1. 2進数へ変換する
クラスフルなIPアドレス(AクラスやBクラスなど)の場合はネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは、ホスト部のビット数が「8の倍数」となるため比較的容易に計算が可能となっています。
例えば、Cクラスの「192.168.12.1」というアドレスだった場合は、プレフィックス長は24ビット、ホスト部は8ビットとなります。
よって、IPアドレスの4オクテット部分がホスト部となり、これを全て0にして「192.158.12.0」となったものが、ネットワークアドレスとなります。
4. まとめ
お疲れ様でした。 ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回も計算問題が出てきたものの内容はとても単純だったので、なんとかついてこれたのではないでしょうか。
次回は、ネットワーク層やそのほかの機能についてまとめていきます。