インフラエンジニア1年目がフロントエンドの転職に必要な知識・スキル

開発に興味があるものの、何を学べばよいのかがわからず、日々のサーバー保守・運用案件に忙殺されているという若手インフラエンジニアの方は多いのではないでしょうか。

本記事では、開発にチャレンジするべきか、このままインフラのスキルを磨くか、悩みを抱える方に向けて、フロントエンドエンジニアの仕事内容や必要な知識・スキル、役立つ資格などについて解説しています。

1. フロントエンドエンジニアとは


フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接触れるウェブサイトやアプリケーションのインターフェースを設計・開発する仕事です。

一方、インフラエンジニアは、システムの基盤となるインフラ(サーバー、ネットワーク、データベースなど)を設計・構築・運用し、システムの安定性、セキュリティ、パフォーマンスを確保する仕事です。



フロントエンドエンジニアは「見える部分」を、インフラエンジニアは「見えない部分」をそれぞれ担当するという違いがあります。

1-1. フロントエンジニアの仕事内容

フロントエンドエンジニアの仕事内容は主に以下のようなものがあります。

UI(ユーザーインターフェース)の開発

ウェブサイトやアプリケーションのユーザーインターフェースを開発します。

具体的には、デザイナーが作成したデザインを元に、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を用いてコーディングします。

UX(ユーザーエクスペリエンス)の最適化

ユーザーの操作に応じて動的に内容を更新するなど、ユーザビリティの向上に努めます。

例えば、ユーザーがボタンをクリックしたときに何が起こるか、画面はどのように変化するか、といった部分もフロントエンドエンジニアの仕事です。

レスポンシブデザインの実装

デバイスの種類や画面サイズに関係なく、ウェブサイトやアプリケーションが適切に表示されるように実装します。

これはレスポンシブデザインと呼ばれ、スマートフォン、タブレット、デスクトップなど、様々なデバイスで最適に表示するための作業です。

パフォーマンスの最適化

フロントエンドエンジニアは、ウェブサイトやアプリケーションのパフォーマンスを最適化する役割も担っています。

例えば、ページの読み込み速度を速くするための最適化や、不要なコードの削除などです。

バックエンドとの連携

フロントエンドエンジニアは、バックエンドエンジニアが作成したAPIと連携し、データを取得して表示します。

また、ユーザーからの入力データをバックエンドに送信する役割もあります。

2. フロントエンジニアに必要な知識・スキル


フロントエンドエンジニアになるためには、プログラミングのスキルや、ウェブ開発の知識が必要となります。

2-1. プログラミングスキル

フロントエンドエンジニアには、HTML、CSS、JavaScriptといったウェブ開発の基本的な言語を理解し、使いこなす能力が求められます。

また、フレームワークやライブラリ(例:React、Vue.js)の知識も必要です。

2-2. CMS知識

CMS(Content Management System)は、ウェブサイトのコンテンツを管理・運用するためのシステムです。

WordPressなどのCMSを使いこなすことで、効率的にウェブサイトを構築・運用することが可能になります。

2-3. UI/UX知識

ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の知識は、ユーザーにとって使いやすく、魅力的なウェブサイトやアプリケーションを作るために不可欠です。

ユーザーのニーズを理解し、それをデザインに反映させる能力が求められます。

2-4. SEO知識

SEO(Search Engine Optimization)は、ウェブサイトが検索エンジンで上位に表示されるようにするための技術です。

適切なキーワードの選択、タグの設定、URL構造の最適化など、SEOに関する知識を持つことは、ウェブサイトの訪問者数を増やすために重要です。

3. 役立つ資格


フロントエンドエンジニアとしてのスキルを証明する資格としては、「HTML5プロフェッショナル認定資格」、「CIW JavaScript スペシャリスト」、「ウェブデザイン技能検定」などがあります。

以下に、フロントエンドエンジニアとしてのスキルを証明する主要な資格について説明します。

3-1. HTML5プロフェッショナル認定資格

HTML5プロフェッショナル認定は、ウェブページの構造を定義するためのマークアップ言語であるHTML5に関する知識と技術力を公正に評価する認定資格です。

マルチデバイス対応のWebコンテンツ制作の基本スキルを評価するレベル1と、システム連携や最新マルチメディア技術を用いたWebアプリケーション開発能力を評価するレベル2の二段階で構成されています。


受験料はレベル1、レベル2ともに15,000円で、プログラミング初心者でもレベル1であれば取得が目指せる難易度です。

3-2. CIW JavaScript スペシャリスト

CIW JavaScriptスペシャリストは、JavaScriptの国際標準資格で、プロフェッショナルや海外案件を目指すエンジニアに推奨されます。

試験は4つのドメインに分かれており、基本的なJavaScriptスキルから中級テクニック、セキュリティ問題、JavaScriptライブラリ、フレームワーク、APIの実装が求められます。


受験料は150ドルで、一定のJavaScript経験がある人が合格可能な資格です。

3-3. ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省指定の国家検定制度で、ウェブデザインに関する知識・技能、実務能力等が問われます。

ウェブ開発に必要なHTMLからCSS、JAVAまで幅広く理解していることが必要で、合格率は10〜20%と難易度が高い資格でもあります。


1級合格者には厚生労働大臣から、2級及び3級合格者には特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会理事長から、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。

4. まとめ


フロントエンドエンジニアは、ウェブサイトやアプリケーションのユーザー体験を直接左右する重要な役割を担っており、プログラミングスキルはもちろん、CMSやUI/UX、SEOに関する知識も必要となります。

インフラエンジニアからフロントエンドエンジニアへの転身は、技術的な視野を広げる大きなメリットがあり、インフラエンジニアの経験は、システム全体の理解と、パフォーマンスやセキュリティへの配慮を深めるために役立ちます。


インフラエンジニアとしての知識や経験はフロントエンド開発でも重要な要素であり、インフラの知識を持つフロントエンドエンジニアは、より効率的で安全なアプリケーションを構築することが強みになります。


また、フロントエンドエンジニアに転身することで、ユーザビリティに直接的に繋がるシステム開発に関与でき、新たなやりがいを見つけることができるでしょう。