Web技術の基礎について、分かりやすくまとめました。
今回の内容は、エンジニアとしてステップアップするためにかかせない知識となっています。
ぜひ最後までお読みください!
【Web技術】基本のまとめ | 初心者向け
1. Web技術とは
Web技術とは、Webシステムを実現するにあたって必要な技術のことです。
広義ではコンピュータやネットワーク、プロトコルなどを含み、狭義ではWebサーバやブラウザを使って実現するシステムのことを指します。
2. Webページが表示される仕組み
インターネットに繋がったコンピュータやスマートフォンなどでブラウザを起動し、URLを指定してアクセスすると、以下のような処理が実行されます。
1.WebサーバにHTTPリクエストが送信される(HTMLのダウンロード)
2.リクエストを受信したWebサーバが、リクエストに応答してコンテンツを読み出す
3.サーバで処理されたコンテンツがブラウザに返却される
4.ブラウザが受信したコンテンツを読んで、画面に表示する(レンダリング)
2-1. レンダリングとは
レンダリングとは、サーバから受け取ったデータを元に、グラフィック化してブラウザに表示することをいいます。
Webブラウザが持つ、レンダリングをする部分のことを、HTMLレンダリングエンジン(または単にレンダリングエンジン)といいます。
3. Webシステムの3要素
Webシステムには、次の3つの重要な要素があります。
1.URL
2.HTTP
3.HTML
順番に詳しく見ていきましょう。
3-1. URLとは
データの指定方法です。正式名称は、『Uniform Resource Locator(ユニフォーム・リソース・ロケータ)』といいます。
「http://」または「https://」で始まり、URLでデータを指定することでWebページを表示できます。URLは、Webページの住所ともいえるでしょう。
3-2. HTTPとは
通信プロトコルの一つです。正式名称は『Hyper Text Transfer Protocol(ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル)』といいます。
通信にはたくさんのプロトコル(約束ごと)があります。
詳しくは後述します。
3-3. HTMLとは
データの表現方法です。
正式名称は『HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)』といいます。
マークアップ言語の一種で、Webページの見た目や構造をタグを使って指定します。
4. Webでのプロトコルについて
Webでのプロトコルとは、コンピュータや他のネットワーク機器が通信をおこなう際の手順や決まりをまとめたものです。
HTTP、TCP/IP、SMTP、PPPなどがあります。
詳しくは以下の記事がわかりやすいです。
https://wa3.i-3-i.info/word1254.html
4-1. OSI参照モデル
OSI参照モデルでは、通信プロトコルを以下の7階層に分けて定義しています。
・7層:アプリケーション層
・6層:プレゼンテーション層
・5層:セッション層
・4層:トランスポート層
・3層:ネットワーク層
・2層:データリンク層
・1層:物理層
これらの頭文字を取って『アプセトネデブ』と覚えることもあります。
イーサネット
イーサネットとは、物理的に接続されたコンピュータ同士の通信をおこなうためのプロトコルのことです。イーサネットの接続形態には、バス型とスター型があります。
違いは以下の通りです。
・バス型:
1本の回線で複数のコンピュータを接続する
・スター型:
ハブを中心に放射線状にコンピュータを接続する(現在はこちらの方式が主流です)
MACアドレス
MACアドレスとは、ネットワーク機器に割り当てられる一意の番号のことです。正式名称は、『Media Access Control(メディア・アクセス・コントロール)』といいます。
4-2. TCP/IP
『Internet protocol suite(インターネット・プロトコル・スイート)』とも呼ばれています。
TCP/IPでは、通信プロトコルを以下の4階層に分けて定義しています。
・4層:アプリケーション層
・3層:トランスポート層
・2層:インターネット層
・1層:ネットワークインタフェース層
TCP/IPとOSI参照モデルを完全に一致させることはできませんが、合わせて覚えておきましょう。
ポート番号
ポート番号とは、TCPでどのアプリケーションにデータを渡せば良いか区別するための番号のことです。ポート番号には、以下のようなものがあります。
・80番:HTTP(インターネット通信)
・443番:HTTPS(セキュアなインターネット通信)
・110番:POP3(メール受信)
・25番:SMTP(メール送信)
・21番:FTP(ファイル転送)
UDP
UDPとは、TCPの代わりとして使われる通信プロトコルです。TCPより信頼性は劣りますが、転送効率が高く、動画配信サービスなどで使われることが多いです。
4-3. OSI参照モデルとTCP/IPの違い
どちらも通信の際の決まりごとを定義したものですが、以下のような違いがあります。
・OSI参照モデル:
国際標準化機構(ISO)が制定した通信プロトコル。1~7層まである
・TCP/IP:
米国国防高等研究計画局(DARPA)が制定した通信プロトコル。1~4層まである
OSI参照モデルは国際標準化機構が制定しましたが、TCP/IPの方が一般に普及しています(このような現象を、デファクトスタンダードといいます)。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
https://wa3.i-3-i.info/diff322model.html
5. IPアドレス
IPアドレスとは、コンピュータやスマートフォンなど、ネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所のようなものです。
インターネット上で利用される「グローバルIPアドレス」と、閉鎖されたネットワーク内で利用される「プライベートIPアドレス」があります。
5-1. DNS
DNSとは、IPアドレスを人が読んだり覚えたりしやすい形に変換してくれる仕組みのことです。
IPアドレスは通常、「XXX.XXX.XXX.XXX」のように0〜255の数字4組で表記されますが、これは人にとって非常に覚えにくい形となっています。
そこで「http://www.test.jp」のような、人が分かりやすい形に変換してくれる仕組みがDNSというわけです。
正式名称は、『Domain Name System (ドメイン・ネーム・システム)』 といいます。
6. おわりに
今回は、Web技術の基礎について解説しました。
Web技術は奥が深く難しいですが、理解すればエンジニアとしてさらにスキルアップが期待できることでしょう。
参考記事
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Learn/Getting_started_with_the_web/How_the_Web_works