念願のシステム会社に就職し、新規プロジェクトの立ち上げや、新サービスの開発など期待を持って業界に飛び込んだにも関わらず、現状はレガシーシステムの運用保守や、サブシステムの小規模な改修や単体テストばかり。
ずっと今の仕事を続けて年収や役割がアップするのだろうか?今のままで自分の将来は大丈夫なのか?悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
優秀な技術者は常に業界のトレンドや需要に合わせて自身をアップデートしていますので、現状のままで良いのか悩んでいる技術者は優秀な証です。
しかし、業務で携わっている技術が市場の需要からかけ離れたことをしていると、その努力が報われないこともあるでしょう。
本記事では、そのような方に向けて需要と将来性の高いプログラミング言語をご紹介します。
SES営業が語る!需要と将来性の高いプログラミング言語3選!
1. プログラミング言語の将来性はどこで見分ける?
将来性が高いプログラミング言語を見分ける方法はあるのでしょうか?
求人数、シェア率、年収の3つの観点から将来性の高いプログラミング言語を調査しました。
1-1. 求人数
昨今では、システム業界に特化した転職サイトが数多く存在していますので、プログラミング言語ごとに条件検索ができます。
今回、ITフリーランスエンジニア向けの案件を多く持つ「レバテックフリーランス」から求人数の多いプログラミング言語の上位3位を調査しました。
1位
Java:求人件数 10,062件
2位
JavaScript:求人件数 7,184
3位
PHP:求人件数 6,289
(2023年4月4日時点)
1位はOS環境を選ばずに利用ができる「Java」を筆頭に、2位に「JavaScript」、3位に「PHP」が並んでいます。
「JavaScript」、「PHP」が使われるWeb系システムの開発は安定して需要が高く、学習コストも高くないため、市場規模が大きいことが伺えます。
しかし、2位、3位を大きく引き離して1位となったJavaは、OS環境を選ばず利用できるその汎用性の高さから数多くの業界や企業で使われていることが良く分かる結果となりました。
1-2. シェア率
プログラミング言語のトレンドは欧米から流入してきますので、今後の日本におけるシェアが予測できるためです。
今回は、プログラミング教材や、プログラミング面接など、プログラミングに関する様々なサービスを提供するアメリカの「HackerRank」が2023年に発表した、人気プログラミングランキングから見ていきましょう。
1位:Java
2位:Python
3位:C++
引用元 :https://www.hackerrank.com/blog/most-popular-languages-2023/
グローバルでも「Java」が1位となっており、ランキングの記事にも殆ど何でもできるプログラミング言語と称されています。
Google、Netflix、Uber、Spotify など有名企業やサービスで採用されていることもあり、Javaの人気は当面は続くのではないかと言われています。
2位のPython(パイソン)は機械学習やデータ分析などで注目を浴びており、3位のC++は処理速度が早く、C言語との互換性があるため、エンジニアの筆者としても納得のできるランキングになっています。
1-3. 月収
そして最も気になるのが、プログラミング言語ごとの月収ですが、「レバテックフリーランス」が2021年10月〜1年間で発生した案件データから集計した調査結果を見ていきましょう。
1位
Go
平均月収:¥888,399
最高月収:¥1,300,000
2位
Ruby
平均月収:¥876,982
最高月収:¥1,500,000
3位
Swift
平均月収:¥860,499
最高月収:¥2,000,000
引用元:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/1507/
案件数とシェア率が高かった「Java」は平均月収70万円弱に留まっています。
そして、比較的新しいプログラミング言語である「Go」、「Swift」が1位、3位にランクインし、日本初の国際規格となった「Ruby」が2位となっています。
1位の「Go」は、Googleが開発したプログラミング言語で、シンプルかつ軽量で、フロントエンドでもバックエンドでも使える優秀な言語です。
経験豊富な技術者が少なく希少なため、需要と供給が追い付いておらず高単価となっていることが伺えます。
2位の「Ruby」も構文がシンプルで、かつ短期間で開発ができるため、スタートアップやベンチャーで多く採用されている人気のプログラミング言語です。
「Swift」に関しては、Appleが開発したプログラミング言語であり、iOSで動くアプリケーショの開発に必要な言語となるため、Apple製品が人気の日本では当然、技術者の需要も多く市場価値が高いようです。
こうしてみると、案件数が少ないプログラミング言語の方が、技術者の数が少ないため単価が高いことが分かります。
2. いま注目の言語
ここまで求人数、シェア率、月収で見てきましたが、まだ市場におけ競合が少なく、ポテンシャルを秘めた注目のプログラミング言語をいくつかご紹介します。
2-1. Rust(ラスト)
Rustは有名なWebブラウザである「Firefox」を手掛けているMozillaが支援しているオープンソースで、C、C++に置き換わるプログラミング言語と言われています。
2015年にバージョン1がリリースされた新しい言語で、それまでCやC++が抱えていたメモリ操作に伴うメモリリークなどの危険性を回避し、かつ処理速度もC、C++よりも速いという特徴があります。
2-2. Kotlin(コトリン)
Kotlin(コトリン)は2011年にチェコのソフトウェア開発会社であるJetBrainsが開発したプログラミング言語です。
Javaに続くAndroidアプリを開発するためのプログラミング言語として知られており、2017年にGoogleがKotlinをAndroidアプリの公式な開発言語に採用したことにより、注目されるようになりました。
同社が提供している「IntelliJ」という統合開発環境か、Google社が提供している「Android Studio」で開発することができます。
2-3. Swift(スイフト)
Swift(スイフト)は2014年にApple社がリリースした、iOS(iPhone、iPad)アプリを開発するためのプログラミング言語です。
これまで、iOSアプリの開発はObjective-Cの1択でしたが、Swiftの登場により、「メルカリ」、「楽天ラクマ」、「Yahoo!ショッピング」などがObjective-CからSwiftに移行しています。
Swiftでできることは、iPhoneアプリ、Macアプリ、Apple Watchアプリの開発はもちろんのこと、Webアプリケーションが作れるフレームワークも豊富に取り揃えられています。
3. 長期的に役立つ言語
長期的に役立つ言語は結局「Java」なんでしょ?と思われた方も多いかもしれません。
もちろん、Javaができれば案件にも困ることなく安定して働くことができるでしょう。
しかし、Javaは人気があるだけに競合も多く、企業側としてもエンジニアを選べるため、年収が大きく見込めるかは懐疑的です。
仮に私が新卒に戻り、これからプログラミングを勉強するとしたら、間違いなく「Python」を選択するでしょう。
Pythonは少ないコードで効率的に開発ができるため、コードが読み易いという点が特徴で、学習コストもJavaほど高くありません。
そして、TensorFlow(テンソルフロー)やPyTorch(パイトーチ)というディープラーニングに特化したライブラリが多数用意されており、AI開発の分野で企業や研究施設などで利用されています。
そのため、プログラマからデータサイエンティストというキャリアも目指せることや、AIの市場が伸びており、日本の労働力不足の改善にも期待されているため、社会問題と親和性の高いプログラミング言語といえるでしょう。
4. まとめ
さまざまな切り口で、将来性が期待されるプログラミング言語をご紹介しましたが、皆さんが習得したい言語は見つかりましたでしょうか?
市場価値や案件数でプログラミング言語を選ぶことも大切ですが、目指す業界やサービス、商品がそのプログラミング言語で最短で実現できるか?という観点も重要です。
いつか人を助けるロボットを作りたいと思いながら、HTML/CSSを一生懸命勉強していたとしても、ライティングページやコーポレートサイトしか作れません。
C、Python、Javaといったロボットプログラミングの分野で使われているプログラミング言語を選択するのが最も近道です。
悩んだ時は、自分がプログラミングを始めようと思った時の初心を思い返してみるもの意思決定の基準となるでしょう。