スタティックルーティングとは手動でルーティングを設定することです。
まずスタティックルーティングの説明の前に以下の環境を用意します。
PCの間にルータが2台ある構成です。
IPアドレスの設定やインターフェースの有効化はすでに完了しているものとします。
この状態でPC1からPC2(192.168.2.10)へPingを行ってみると以下の様に失敗します。
メッセージに「Reply from 192.168.1.1: Destination host unreachable.」と表示されています。
これはR1(192.168.1.1)までは到達しているが、その先のネットワークが見つからなかったことを示します。
R1にてルーティングテーブルを確認してみます。
ルーティングテーブルを確認すると192.168.2.0のネットワークへの宛先がありません。
そのため、ルータはデータを転送できないので破棄します。
そしてPC1にデータ到達失敗を通知するのです。
直接接続ではIPアドレスとインターフェースの有効化さえ行えば自動でルーティングテーブルに登録してくれますが、PCB(192.168.2.10)と通信するにはルーティングテーブルに経路を登録する必要があります。
その登録方法がスタティックルーティングとダイナミックルーティングです。
スタティックルーティング登録方法
スタティックルーティングで経路を登録するにはグローバルコンフィギュレーションモードにて以下のコマンドを入力します。
#ip route <宛先ネットワーク> <サブネットマスク> <ネクストホップ | 出力インターフェース> [<アドミニストレーティブディスタンス値>]
<宛先ネットワーク>には宛先のIPアドレスを入力します。
<サブネットマスク>には宛先のサブネットマスクを入力します。
<ネクストホップ | 出力インターフェース>にはネクストホップの場合は隣接ルータのIPアドレス、出力インターフェースには隣接ルータに繋がっている自身のインターフェースを入力します。
<アドミニストレーティブディスタンス値>は省略可能です。アドミニストレーティブディスタンス値はAD値ともいいます。
0から255までの値を入力できます。複数経路がある場合はAD値の低い方を優先経路として選択します。省略すると1が設定されます。
先程の環境でスタティックルーティングを登録してみましょう。
まずはR1ルータで以下のコマンドを入力します。
<宛先ネットワーク>として「192.168.2.0」、<サブネットマスク>は「255.255.255.0」、
<ネクストホップ | 出力インターフェース>では今回はネクストホップである「192.168.100.2」を指定しています。
設定後、ルーティングテーブルを確認してみます。
「S 192.168.2.0/24 [1/0] via 192.168.100.2」が追加されていることが確認できます。
これで192.1